「中国戦出場13人」を金田喜稔が採点 アピール成功の国内組、“疑問を残した”選手は?

初のA代表でスタメンデビューを果たした橋岡大樹【写真:Getty Images】
初のA代表でスタメンデビューを果たした橋岡大樹【写真:Getty Images】

右ウイングバックを務めた橋岡は「守備への切り替えの早さが光った」

■森島 司(広島)=★★★★

 今後への可能性を感じさせるA代表デビューだった。鈴木の先制点を導いたアシストはもちろん、シャドーとしていろいろなところに顔を出していけるし、ドリブルもパスもポジショニングも良かった。E-1選手権という公式大会でオールラウンダーとしての能力を示したことは、来年の東京五輪に向けても好アピールになったはずだ。

■遠藤渓太(横浜FM)=★★★

 左ウイングバックとして上下動し、攻守に安定していた。個人的に横浜FMで18歳でトップデビューした頃から、その能力を高く評価している。初のA代表戦で硬さもあったのかもしれないが、攻撃面で相手の背後を狙う、あるいは中央にカットインしてからのシュートなど、得意なプレーをもっと自信を持って出せるはず。次に出場する時には、よりシュートシーンに絡む姿を見てみたい。

■橋岡大樹(浦和/→後半39分OUT)=★★★

 浦和でも慣れ親しんだシステムと右ウイングバックのポジションで、豊富な運動量で激しくアップダウン。橋岡もまた初のA代表でいきなりのスタメン起用だっただけに、周囲との連係面などにぎこちなさはあったが、やれることはやった印象だ。特に守備への切り替えの早さが光るなど、白星スタートへの貢献度は高かった。

■井手口陽介(G大阪)=★★★

 初代表組が多いなかで先発し、守備面では手堅いプレーを見せた。セットプレーのキッカーを任され、CKから三浦の2点目をアシスト。ただ、それだけ本人もキック精度に自信を持っているだけに、もっと流れの中での攻撃面への関与を期待したいが、以前に比べるとミドルシュートを打つことに対する意欲が少し落ちている気がする。ボランチとして圧倒的なポテンシャルを持つ選手だけに、E-1選手権でのプレーを通じてA代表で再浮上できるようなきっかけをつかんでもらいたい。

■橋本拳人(FC東京)=★★★

 井手口と同様、守備面での貢献は高かった。球際の攻防でも後手に回らず、ピンチを未然に防いでいた。その反面、このくらいの相手であればもっと攻撃時の積極性を見せても良かった。もちろん、新しいメンバーと呼吸を合わせる満足な練習時間がなかったとは思うが、展開によっては左シャドーの森島を追い越すような動きも見てみたかった。

金田喜稔

かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。

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