「不甲斐ない」 香川真司、“不発”に自責の念も…サラゴサ記者は理解「常に警戒されている」

サラゴサの地元ラジオ局「アラゴン・ラジオ」のフェルナンド・ラモス記者【写真:Football ZONE web】
サラゴサの地元ラジオ局「アラゴン・ラジオ」のフェルナンド・ラモス記者【写真:Football ZONE web】

「カガワは偉大な選手」 サラゴサ記者は現在の不調を問題視せず

 試合はその後、ヌマンシアの堅守に苦しんでいたサラゴサが、後半36分に右サイドのDFフリアン・デルマースからの折り返しをゴール前に走り込んだエグアラスが押し込み決勝点。この勝利はサラゴサにとって実に5試合ぶりとなり、5勝4分1敗の勝ち点19で3位に再浮上した。

 香川は試合後のミックスゾーンで、ゴールを決めるのに苦戦したことについて「非常にタフなゲームだったので、どちらに転んでもおかしくなかった。相手はすごく堅いチームだったので、非常に厳しいゲームだった」と決して簡単ではなかったと語った。

 FWドゥワメナを失いMFポンボを起用したことによるシステム変更については、「4-2-3-1には比較的慣れている」と香川自身、過去にもプレーしたことがあるため特に問題がないことを強調した。しかし、「ここ数試合、ゴールやアシストを残していないので不甲斐ない気持ちはあるが、一歩ずつやっていくしか方法はない」と目に見える結果を出せていない自身のパフォーマンスに、納得していない様子を見せた。

 それでも5試合ぶりに勝利を挙げたことについては、「チームが勝ったことが何よりも素晴らしいことだし気分がいい。この波に乗り、この自信を得て、すぐに試合があるのでそれに備えていきたい」と喜びの表情を見せた。

 取材に訪れていたサラゴサの地元ラジオ局「アラゴン・ラジオ」のフェルナンド・ラモス記者は試合後、香川について「今日はおそらく彼にとって最高の試合ではなかっただろうね。非常に優れたスキルにより、他の多くの選手たちよりも常に警戒されているから、今日は自分のプレーができなかった。非常にやりづらかっただろうけど、大きな才能を備えているし試合のあらゆる瞬間にそれを爆発させることができる。そしてサラゴサも、対戦相手もそのことを分かっている。私は彼に自分のパフォーマンスについて冷静になってほしい。なぜならカガワは偉大な選手だからね」と語った。

 また、「(ホームの)ラ・ロマレダで彼は、よりやりやすさを感じるはずだ。なぜならピッチがここより広いし、スペースもある。彼はプレーするのにスペースを必要とする」と、ヌマンシアのピッチの狭さが香川のプレーに影響したことを強調した。

高橋智行

たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。

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