吉田麻也が考えるセットプレーの重要性 「武器として持てるようにならないと」
自分が取りたいわけではないと、メディアを再三牽制するも…
ピッチ内での高い危機察知能力は、ミックスゾーンでも健在だった。日本代表はカタール・ワールドカップ(W杯)アジア2次予選のモンゴル戦(10日/埼玉)に向けた前日練習を埼玉スタジアムで行った。練習後、取材に応じたDF吉田麻也(サウサンプトン)は、引いてくる相手に対してセットプレーからでも点を取ることが重要になると語った。
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10日に対戦するモンゴルと日本の間には、明白な力の差がある。モンゴルは自陣に引き、日本が攻め込むスペースを消してくる可能性が高いが、そうした相手から得点を奪うことは、決して簡単ではない。日本は過去のW杯予選でも引いた相手に苦しめられてきた歴史がある。
代表キャップ97を数える吉田は「相手がべた引きして、スペースがないなかで崩す難しさは、アジアで戦うなかでいつも課題ですし、そこを打開するのはかなり難しくなる。ハマればハマるだけ、どんどん難しくなる」と、明日の試合展開を予見した。
そして、「そういう時にやっぱりセットプレーで一発、点が取れればいいなと思う」と言うと、「こう言うとまた『(吉田が)セットプレーで狙う』という記事になるからなぁ」とすぐに付け足し、報道陣をけん制した。
9月に対戦したミャンマー(2-0)をはじめ、この2次予選で対戦する相手には、日本が体格で上回れる相手も多い。そのため、吉田は「2次予選は、高さの部分で相手とのレベルの差があるし、セットプレーからも複数点取りたいと思います。僕だけではなくて、全体として、セットプレーから得点を重ねられるようになり、それを武器として持てるようにならないと、最終予選やホームゲームで苦しくなるかなと思うし、ここでしっかりそういう結果を出したいと思う」と、改めてチームとしてセットプレーを磨く重要性を説いた。
ここまで二度、自分のゴールにこだわっているわけではないと強調していた吉田だったが、ここで思わず「僕自身も最近、全然、点を取っていないんで……」と本音をこぼし、慌てて「これ言うと、あれ(ゴールを狙うと書かれる)なんですけど。もう、そういう記事はなしよ」と苦笑した。
自身がゴールを意識していることを書かれることを警戒した吉田だが、現代表で国際Aマッチ10得点は、MF原口元気(ハノーファー)と並び、チーム最多の数字。日本にとっても吉田の高さは重要な武器になっているだけに、モンゴル戦でもやはり吉田の一発には期待したいところだ。
(河合 拓 / Taku Kawai)