今季最悪の内容も…久保建英を“無視できない” マジョルカ監督が次戦で示す答えは?

マジョルカ地元紙のエレナ・ガリシア記者【写真:高橋智行】
マジョルカ地元紙のエレナ・ガリシア記者【写真:高橋智行】

地元紙記者「ほとんど何もチームにもたらすことができなかった」

 試合全体を振り返ってみると、前半唯一の決定機を作ったのはマジョルカで、同10分にFWアンテ・ブディミルのシュートがポストを叩いたのみだった。これによりマジョルカは今シーズン通算6回と、1部リーグで最もシュートをポスト(クロスバー)に当てているチームとなっている。

 しかしマジョルカの不運は、これだけに止まらない。両チームにほぼチャンスが訪れることなく時間が経過し、後半29分に1部リーグ最多となる5度目のPKを取られた。

 MFラゴ・ジュニオルのプレーがVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)判定後にPKとなり、アラベスFWルーカス・ペレスに決められリードを許した。さらに同41分に追加点を奪われたマジョルカは0-2で敗れ、6戦連続未勝利の3連敗で前節と変わらず19位で降格圏を抜け出せなかった。

 スペイン紙「マルカ」は、この日の久保について1点(最高3点)と評価した一方、スペイン紙「AS」は「素晴らしいストライドを備え、非常に直進的な動きをする選手。マジョルカのベストプレーヤーだった」と称賛し、ヘタフェ戦で素晴らしいホットラインを見せたブディミルと並んで、チーム最高タイの2点(最高3点)をつけている。

 また現地取材に訪れていたマジョルカの地元紙「ディアリオ・デ・マジョルカ」のエレナ・ガリシア記者は、この試合について「マジョルカにとって今日の試合は本当に難しいものでしたし、アラベスのゴールが決まるまではとてもゲームが遅く、味気ないものでした。ゴール後の終盤は少し変わりましたけどね」と、試合展開に面白味がなかったことを強調した。

 久保については「あまり試合に関与できなかったのは間違いないでしょう。一方、アトレチコ・マドリード戦で私たちは彼の瞬きを見ることができました。でも今回、彼は再びスタメン出場しましたが、ほとんど何もチームにもたらすことができなかったと思います」と言及している。

 ガリシア記者の言葉通り、久保にとってはおそらくこの日が、これまでで最も低調なパフォーマンスだった。アラベス戦がマジョルカに加入して5試合目となったが、試合を通じてここまでボールが入らなかったことはおそらく初めてだろう。しかしそれは、久保だけが悪いわけではないように思える。なぜならチーム全体でパスが3本とつながる場面がほとんどなく、久保がどんなにスペースに走り、ボールを求めてもパスが出てこなかったからだ。

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高橋智行

たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。

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