久保の”ひと振り”が会場の空気を一変 敵将シメオネが思わず頭を抱えた決定的瞬間
【現地発】記者は息を飲み、サポーターに熱狂をもたらした久保のポスト直撃シュート
記者席に座っていたジャーナリストたちが「ワオ!」と叫びながら立ち上がった。強豪アトレチコ・マドリードを相手に、マジョルカで初となる先発出場を飾った日本代表MF久保建英が決定機を迎えた瞬間だ。
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マジョルカは現地時間25日、「DAZN」が放送するリーガ・エスパニョーラ第6節でアトレチコと対戦し、ホームで0-2と敗れた。前半はアトレチコの強固な守備網に太刀打ちできず、前半26分にあっさりと失点を喫し、為す術もなく押し込まれる展開にマジョルカサポーターは沈黙が続いていた。
文字通り格の違いを見せつけられる一戦となったが、90分間を通して唯一アトレチコに冷や汗をかかせ、、マジョルカに漂っていた嫌な空気を吹き飛ばすワンプレーを披露したのが久保だった。
0-1で迎えた後半2分、MFダニ・ロドリゲスとのワンツーに抜け出した久保がペナルティーエリア右に侵入すると、そのまま右足を振り抜いた。鋭いシュートは相手DFステファン・サビッチに接触し軌道が変わると、右ポストに直撃。そのボールが相手GKヤン・オブラクに当たると、再び右ポストに当たった。
間一髪のところでクリアされたことで初ゴールはお預けとなったが、久保の一撃は明らかにスタジアムの雰囲気を一変させた。タッチライン際に立っていたアトレチコのディエゴ・シメオネ監督が思わず頭を抱えた姿がそれを象徴するかのようだった。
「おい、今の見たかい?」と隣に座っていたスペイン人記者が興奮気味に肩を叩いてきたほどだから、当然それまで大人しかったサポーターは沸騰したようなヒートアップを見せた。マジョルカも息を吹き返したようにアトレチコ相手に攻め込む機会が目に見えて増加した。
しかし、試合巧者のアトレチコに隙を突かれ、追加点を奪われたことで勝敗は決してしまった。それでも、背番号「26」の一振りがこの試合で唯一の決定機となり、久保が灯した火がサポーターやチームを取り込んで大きな炎となった瞬間を現地で目の当たりにした。敗戦しても尚、マジョルカに力強いチャントが送られていたことが、それを物語っていた。