東京五輪世代「ポジション別勢力図」 U-22代表の北中米遠征で評価を上げたのは?

本番まで1年を切りサバイバルが激化【写真:Getty Images】
本番まで1年を切りサバイバルが激化【写真:Getty Images】

本番まで1年を切りサバイバルが激化 今遠征では2試合を行い1分1敗

 東京五輪世代となるU-22日本代表は、9月2日から11日にかけて北中米遠征を実施した。今回の遠征には5月、6月に行われたU-20ワールドカップ、トゥーロン国際大会、そしてコパ・アメリカ(南米選手権)に出場した選手たちが顔を揃え、東京五輪まで残すところ1年を切ったなかでのサバイバルに挑んだ。

 現地でU-22メキシコ代表(0-0)、U-22アメリカ代表(0-2)と対戦し、1分1敗と勝利を手にすることができずに遠征を締めくくることとなったU-22日本代表。今遠征を終えた時点で東京五輪の出場枠を手にする可能性を持つ有力候補たちが、どのような状況に変化したのか。北中米遠征のアピール度を3段階で評価(◎→○→△)したうえで、ポジションごとの選手たちの勢力図を探っていく。

【GK】
■北中米遠征組
○ 大迫敬介(広島)
◎ 小島亨介(大分)
■招集外
— オビ・パウエルオビンナ(流通経済大)
— 山口瑠伊(エストレマドゥーラ)ほか

 GK陣は今回の遠征に呼ばれた2人が、東京五輪の最有力候補となっている。メキシコ戦でゴールを守った大迫は、ビルドアップのミスが見られる場面もあったが、それ以外は冷静な対応を続けてクリーンシートを達成した。またアメリカ戦で先発出場した小島も、2失点こそしたものの積極的な出足から好セーブを披露するなどピッチで存在感を発揮。ともにしっかりと自身の力を示してみせた。

 招集外となったオビと山口は2人に少し差をつけられた感じもあるが、まだまだチャンスがないわけではない。次回以降の遠征でどんなパフォーマンスを見せられるのか、注目したいところだ。

【センターバック】
■A代表
― 冨安健洋(ボローニャ)
■北中米遠征組
○ 立田悠悟(清水)
○ 町田浩樹(鹿島)
○ 瀬古歩夢(C大阪)
△ 大南拓磨(磐田)
△ 岡崎 慎(FC東京)
△ 岩田智輝(大分)
■招集外
— 原 輝綺(鳥栖)
— 椎橋慧也(仙台)ほか

 コパ・アメリカを終えて変動があったのはCB陣だ。コパの活躍によって板倉がボランチを担う可能性が高まったことで、CB陣の絶対的な存在は冨安のみ。その後はまだまだ混戦模様で、誰が選ばれるか全く予想することができない。

 そんななか、北中米遠征で評価を上げたのは立田、町田、そして初招集となった瀬古の3人。前者2人はチームの戦いを理解したうえで、後方からのボール運びなどで変化をもたらした。また瀬古は初めてのユニットを組むなかで、アメリカ戦ではアグレッシブなプレーを披露。苦しい状況でも縦にパスを入れる姿勢はポジティブで、初の招集ながら確かな爪痕を残したと言っていいだろう。

 今回は怪我も考慮されて原が招集外となったが、彼を含めた2番手、3番手のポジション争いは今後も熾烈を極めそうだ。

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林 遼平

はやし・りょうへい/1987年、埼玉県生まれ。東日本大震災を機に「あとで後悔するならやりたいことはやっておこう」と、憧れだったロンドンへ語学留学。2012年のロンドン五輪を現地で観戦したことで、よりスポーツの奥深さにハマることになった。帰国後、サッカー専門新聞『EL GOLAZO』の川崎フロンターレ、湘南ベルマーレ、東京ヴェルディ担当を歴任。現在はフリーランスとして『Number Web』や『GOAL』などに寄稿している。

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