J最強切り札の証明! 広島の優勝を決めた浅野の「絶対に決める」という強き意志

異彩を放った快足

 Jリーグ最強のスーパーサブが、広島の年間チャンピオンを手繰り寄せた。5日のJリーグチャンピオンシップ決勝戦の第2戦は、広島とG大阪が1-1の引き分けとなり、第1戦とのトータルスコア4-3で広島が勝利した。そして、その貴重なゴールを決めたのが途中出場のFW浅野拓磨だった。

 G大阪に0-1とリードを許した後半12分、浅野はFW佐藤寿人との交代でピッチに入った。2点差での敗北はトータルでの敗戦を意味する状況下で、人数を掛けた攻撃を仕掛けるG大阪と守備に軸足を置いてカウンターを仕掛ける広島という構図は鮮明だった。その中で、「僕の特徴はスピードだと分かっている。持っているものを全てぶつけようと思った」という浅野の快足はピッチ上で異彩を放った。

 歓喜の瞬間は訪れる。後半31分、同じく途中出場のMF柏好文が右サイドから縦に仕掛けるそぶりを見せた。その一瞬、柏の仕掛けを予期していたG大阪守備陣の意識が浅野から離れた。柏は、その機を見逃さず、その場から直線的なクロスをゴール前に入れる。スピードのあるボールに対していち早く反応した浅野がジャンプ。完全フリーの状況で教科書通りのたたきつけるヘディングを放った。ボールは、相手GK東口順昭が伸ばした手の先をすり抜けてゴールに吸い込まれた。

「これだけたくさんの人が見に来てくれていたので今日は絶対に決めたいと思っていましたし、カシ君(柏)からいいクロスが来て、声援があったからこそ決められた。今までもたくさんのチャンスを外してきて、チーム、そしてみなさんにも迷惑を掛けてきました。だからこそ今日は自分が決めて勝ちたいと思っていたので、実現できて良かった」

 浅野は広島サポーターの声援に感謝しつつ、ゴールの喜びを語った。

 

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