酷暑の日本で「サッカーの質」は担保できない Jリーグはシーズン設定を再考すべき

確実に進む地球温暖化、30度超えのスタジアムでの観戦は苦行に近い

 確かにJリーグ創設の目的の一つは「日本代表の強化」だった。今後もW杯が欧州のシーズンオフに開催される以上、そこで結果を出そうとするなら、暑さに耐えてプレーすることにも慣れておくべきという考え方もあるかもしれない。

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 だがプロの興行である以上、もはや主役は観客だ。30度を超えるスタジアムでの観戦は苦行に近い。せめてピッチ上からは一瞬でも暑さを忘れるような爽快感が欲しいところだが、現実的には無理がある。

 地球温暖化は確実に進んでいる。今後も夏場の試合では、質を担保することはできない。Jリーグがさらなるファンの開拓や文化の浸透を目指すなら、最も良質な試合を提供できるシーズン設定を再考するべきタイミングだと思う。

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(加部 究 / Kiwamu Kabe)



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加部 究

かべ・きわむ/1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近選手主体のボトムアップ方式で部活に取り組む堀越高校サッカー部のノンフィクション『毎日の部活が高校生活一番の宝物』(竹書房)を上梓。『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(いずれもカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

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