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J1浦和、小学生の“個”を伸ばす「サッカー塾」開校 塾長にクラブ黄金期を知るOB就任
強化部スタッフの堀之内氏が塾長となり発足 ヘッドコーチには恩師を招く
Jリーグの浦和レッズが今季、小学生を対象に「サッカー塾」を立ち上げ、6月3日に開校した。選手育成とタレント発掘、人間形成が大きな目的だ。
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塾長には浦和に10年間在籍し、Jリーグや天皇杯の優勝に貢献した後、J2横浜FCとモンテディオ山形を経て2013年限りで現役を引退した、強化部スタッフの堀之内聖氏が就任。ヘッドコーチには、同氏が浦和市立高校(現さいたま市立浦和高校)サッカー部時代のコーチだった福島智紀氏を招請し、埼玉県立熊谷高校サッカー部で福島氏の薫陶を受けた加賀雅士氏がアシスタントコーチに就き、3人体制で新事業となるサッカー塾をスタートさせた。
堀之内氏がパートナー営業部に所属していた16年、当時のクラブ幹部からスクール設立を打診されたのがきっかけとなり、同氏が長らく構想を練ってきた。
浦和には03年に発足したハートフルクラブという、幼稚園・保育園年長児から小学6年生までが集うスクールがある。思いやりの心を育むことを主な狙いとする同クラブとは一線を画し、サッカー塾はトップチームで活躍し、世界で通用する選手を育てることに主眼を置く。
堀之内塾長は「技術を向上させ個を鍛えるほか、人として成長できる場を提供できたらと思う。強化部に異動し、これからは小学生から高校生までの育成の重要さを肌で感じていたので、ちょうどいいタイミングで発足できました」と語る。
生徒は小学1-2年、3-4年、5-6年生で各クラス20人ほど。少年団やクラブチーム所属の男女が参加し、来年3月まで月、火、水、金曜の年間30回、来季からは4月開校で36回の開催を予定している。
指導内容はボールを止める、蹴るというサッカーの基礎を習得させ、スプリント力や機敏さなどを測定し、発育・発達の記録を調査。さらに11年から浦和のトップチームで導入した基礎運動能力を高める練習方法を、小学生向けにアレンジした。
トップチームが汗を流す大原サッカー場敷地内のフットサル場では、1-2年生のクラスから練習開始。福島ヘッドコーチと加賀コーチを中心に、工夫を凝らしたメニューが次から次へと披露され、最初は戸惑っていた子供たちだが2度、3度と説明を受け、実戦を重ねるうちに習得すると、覚えられた喜びを感じながらさらに熱心に取り組んでいた。
河野 正
1960年生まれ、埼玉県出身。埼玉新聞運動部で日本リーグの三菱時代から浦和レッズを担当。2007年にフリーランスとなり、主に埼玉県内のサッカーを中心に取材。主な著書に『浦和レッズ赤き激闘の記憶』(河出書房新社)『山田暢久火の玉ボーイ』(ベースボール・マガジン社)『浦和レッズ不滅の名語録』(朝日新聞出版)などがある。