J1浦和、小学生の“個”を伸ばす「サッカー塾」開校 塾長にクラブ黄金期を知るOB就任

福島ヘッドコーチ(左)は、高校時代の教え子でもある加賀コーチ(右)に全幅の信頼を寄せる【写真:河野正】
福島ヘッドコーチ(左)は、高校時代の教え子でもある加賀コーチ(右)に全幅の信頼を寄せる【写真:河野正】

サッカー塾に選考テストなし 「自分のチームに還元してほしい」

 この3月末まで埼玉県立本庄高校教諭で、サッカー部コーチだった福島氏は、「昔から教え子の喜ぶ顔を見るのが好きだし、それにはどうしたら上手になるのか考えることも好きなんです。私は教師の頃からチーム強化よりむしろ、個を伸ばすことに注力してきましたから」と述べ、指導者としてのやりがいを独自の視点でこう解説した。

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 浦和は13年に小学生のジュニアチーム(4種)を創設したが、メンバーは厳しい選抜試験を突破したエリートばかり。一方のサッカー塾に選考テストはなく、大勢の小学生を受け入れて成長させることが役割と心得る。クラブと塾長の考え方はとても尊い。「うちのジュニアユースに昇格できる子ももちろん育てたいが、ここで身に付けたものを自分のチームに還元してほしい。そうしてそのチームが強くなってくれたらいい、という思いがベースにあります」と堀之内塾長は熱弁を振るった。

 過度に教え込まず、自ら考えて行動できる選手養成、人間形成の指導を心掛けている。

 福島ヘッドコーチは開校早々、塾に携わる喜びをこんなところに感じたそうだ。「(月曜日に来校する)1年生がお母さんに『早くまた月曜日が来ないかなあ』って話していたのを聞いて、本当にうれしかった。これを習得しておけば、世界のどこへ行っても力を発揮できる、というものを教えることが使命です」と満面の笑みを浮かべながら語った。

 コーチ陣とクラブ、塾生、保護者が三位一体となって取り組むことが成功への近道だと認識する。開校したばかりだが、指導陣の情熱に加え、子供たちのはちきれんばかりの動きとひたむきな姿を見ていると、上々のスタートを切ったと言える。

 堀之内塾長も手応えを感じつつ、「チーム戦術ではなく“個人戦術”を身に付けてもらい、これを知っていればどのチームでも活用できるという教えを徹底したい。うちの一番の強みは指導者、そこには絶対の自信があります」と締めくくった。

(河野 正 / Tadashi Kawano)

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河野 正

1960年生まれ、埼玉県出身。埼玉新聞運動部で日本リーグの三菱時代から浦和レッズを担当。2007年にフリーランスとなり、主に埼玉県内のサッカーを中心に取材。主な著書に『浦和レッズ赤き激闘の記憶』(河出書房新社)『山田暢久火の玉ボーイ』(ベースボール・マガジン社)『浦和レッズ不滅の名語録』(朝日新聞出版)などがある。

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