VAR導入2シーズン目のブンデスで不満噴出 「すべてが明らかになると誰もが考えたが…」

「テクノロジーは人間が扱うもの」 技術の運用における難しさを指摘

 またDFBポカール(ドイツ杯)準決勝のブレーメン対バイエルン(2-3)では、2-2の同点で迎えた試合終盤、バイエルンのフランス代表FWキングスレー・コマンがペナルティーエリア内の接触で倒され、主審はペナルティースポットを指差して笛を吹いた。この試合ではVARが導入されていて、ブレーメンの選手がオン・フィールド・レビューを求めて抗議したが、主審はリプレイを確認することなくゲームを進め、バイエルンのポーランド代表FWロベルト・レバンドフスキがPKを決めてバイエルンが勝利した。

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 後日、ドイツサッカー連盟のVAR監督者が、その時の誤審を認め波紋を呼んだ。しかし同連盟の審判委員長は、判定に「一貫性と計画性がある」と主張し、「ルールの解釈について混乱している、あるいは何がハンドとなるか分かっていないと言われたりすることは理解できない」と語っている。

 これまではハンドのファウルによってPKとなってしまったものが例に挙げられているが、その逆でファウルの判定とならなかったものもある。5月4日に行われた第32節ヘルタ・ベルリン対シュツットガルト(3-1)では、VARの介入がなくPKが与えられなかった場面があった。同じく同日開催のバイエルン対ハノーファー(3-1)の試合でもハンドの判定とはならなかった。さらに、同節のブレーメン対ドルトムント(2-2)でも、ドルトムントのドイツ代表MFマリオ・ゲッツェの手にボールが当たりオン・フィールド・レビューで主審がリプレイを確認したが、ノーファウルの判定となった。同記事では、このように判定に一貫性があるとは言い難いことを主張している。

 ハンドを含めたルール改正は決定していて、ケースごとにどう反則が適用されるかは細かく明文化されることになった。改正されたルールは5月23日に開幕するU-20ワールドカップから適用される。ハンドに関してはこれまでよりも多少は明確化されたが、まだ主審の主観に委ねられる部分は大きく今後も物議の種となりそうだ。そういった主観的な判定に対して、ストレイヒ監督は警笛を鳴らしている。

「我々は完全に誤った道を進んでいる。フットボールを取り戻すためには数段階戻らなければならない。テクノロジーの導入はすべてが明らかになると誰もが考えた。だが、テクノロジーは人間が扱うものだ。このまま続けていくべきではない。狂っている。ゲームはあるべき姿を失い、もはやフットボールではなくなっている」

 VARの導入によって見えなかったところが見えるようになってしまい、主審に委ねられていた判定が誰の目で見ても分かるようになってしまった。テクノロジーの導入よって、これまで暗黙のうちに与えられていた判定の“曖昧さ”や“余白”といった部分もなくなってしまった。そういった主審に委ねられた主観的な部分を最小限にして、一貫性のある判定ができるルール改正が求められていることは確か。一旦は5月のルール改正を見守ることになりそうだ。

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(FOOTBALL ZONE=AP)



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