大会MVPに輝いたGK彼島優　昨秋のU-15日本代表フランス遠征で中井と共闘

　16歳以下の国際親善大会である「U-16キリンレモンCUP」が、19日から21日まで神奈川県内で行われ、FC東京の優勝で幕を閉じた。“ピピ”ことMF中井卓大を擁するレアル・マドリードに大きな注目が集まるなか、同大会連覇を阻止する形となったヒーローがFC東京の15歳GK彼島優（かのしま・ゆう）だ。同大会MVPに輝いた守護神は、年代別代表でチームメートとなった“ピピ”の一面について触れるとともに、同い年の存在が刺激になっていると大会後に語っている。

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　FC東京はグループステージB組の3試合（2勝1分）、そして準決勝の東京ヴェルディ戦をすべて無失点で切り抜け、レアルとの決勝の舞台に辿り着いた。そしてキックオフから1分も経たないうちに、FW野澤零温のヘディングシュートで先制に成功した。

　その後は“本気”のレアルが攻勢を強めてくる。後半開始早々にはMFアンヘル・チャモン・モラレスの痛烈なミドルで同点に追いつかれて嫌な流れに陥りかけたが、彼島ら守備陣は強い気持ちで耐え抜いた。延長戦も集中を切らずPK戦まで持ち込むと、主役となったのは彼島。相手の1人目と2人目のシュートをストップし、レアル撃破の立役者となった。

「苦しい時間が続いたんですけど、自分たちがやることをブラさないで、全員がハードワークを切らさないでしっかりできたと。苦しい部分が多かったですけど、こういう形で勝ちに持ってこれて良かったです。自分たちでつかみ取った試合、この雰囲気の中で最後まで楽しんでプレーすることができて良かったです」

　MVP受賞で喜びを露わにした後の会見で、彼島は笑顔を見せながらこう話した。それとともに触れたのは中井の存在だ。実は彼島と中井、昨年10月から11月にかけて実施されたU-15日本代表フランス遠征のメンバーとして選出されており、U-15フランス代表戦ではともに先発を果たしてもいる。そのため、中井の人となりを知る1人でもあるのだ。