【イタリア在住ジャーナリストの視点】クラブ批判に見えた本田の真意 迷走するミランに変革を起こせるか

いち早く外資を受け入れたイタリアのライバル

 だが今季、他の誰よりもチームのために汗をかいてきた男が、冬の移籍マーケットでチームを出ることを目的に行動するだろうか。今季のミランでの本田のプレーは、背番号10をつけたファンタジスタというより、常に守備面でのカバーに追われ、チームの犠牲になりながらも、”泥仕事”を嘆かずに続けるというものだった。

 ゴールという結果が求められる攻撃的なポジションのプレイヤーとして、これは大きなリスクだ。本田なら、今夏にCLに参戦しているようなチームに移籍し、そこでも十分にプレーすることができたはずなのに、彼はあえてミランで犠牲的な役回りを演じているのだ。

 近年は欧州に限らず、世界全体でグローバル化が進み、経済界と密接な関係を持つサッカーも国境は関係なくなった。イタリアのサッカー界も、ここ20年で大きく変わりつつある。

 他の国を見れば、イングランドのプレミアリーグはイタリアのセリエAよりも早く外国資本が参入している。チェルシーのロシア人オーナーであるアブラモビッチ(2003年)を皮切りに、07年にはマンチェスター・シティーのオーナーにタイ前首相のタクシン・チワットが就任。クラブは翌年、UAEの投資グループである「アブダビ・ユナイテッド・グループ・フォー・デベロップメント&インベストメント」に売却し、アブダビ政府所有の航空会社「エティハド航空」と1億5000万ポンド(約276億5000万円)という10年間のスポンサー契約を結んだ。

 一方、イタリアでは今まですべてのクラブが個人経営だった。ローマはセンシ家が長年オーナーを務めていたが、11年に米国大リーグのボストン・レッドソックスのパートナーを務めたイタリア系アメリカ人、トーマス・R・ディベネデトに代わった。

 インテルも13年に、マッシモ・モラッティからインドネシアの実業家エリック・トヒルに会長職が渡った。そして本田の所属するミランは今夏、ベルススコーニ会長がタイの実業家ビー・テチャウボンに株式の48パーセントを売却することを約束している。

 

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