乾加入で注目度上昇のアラベスがJリーグで挑む“夢” 「日本最高水準のクラブに…」

アラベスは今季リーグ戦の第28節終了時点で5位につけている【写真:Getty Images】
アラベスは今季リーグ戦の第28節終了時点で5位につけている【写真:Getty Images】

昨年11月に鹿児島との業務提携を発表 アリツCEOに訊く日本進出の狙い

 2018年6月1日、ロシア・ワールドカップ(W杯)メンバーに選ばれていた日本代表MF乾貴士は、3シーズンを過ごしたエイバルからベティスに完全移籍することが発表された。21年までの3年契約は日本人アタッカーへの期待の表れで、実際にW杯での活躍を経て合流した序盤戦ではスターティングメンバーに名を連ねることも多かったが、ゴールに絡むことができず出場機会は徐々に減っていった。

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 ロシアW杯での輝きを失いつつあった乾が、今冬の移籍市場で出場機会を求めて選んだ新天地はアラベスだった。同クラブはリーガ・エスパニョーラ1部昇格を果たした16-17シーズンを9位で終えると、スペイン国王杯(コパ・デル・レイ)で準優勝と躍進。昨季はリーグ戦14位、国王杯ベスト8の成績だったが、アベラルド監督体制2年目の今季は序盤戦から白星を積み重ね、第28節終了時点では来季UEFAヨーロッパリーグ(EL)出場圏内の5位につけている。

 UEFAチャンピオンズリーグ(EL)出場圏内の4位ヘタフェとも勝ち点差「2」と、さらなる躍進にも期待が高まるなかで加入した乾だが、第26節ビジャレアル戦(2-1)、第27節エイバル戦(1-1)と2試合連続ゴールを決めるなど、ここまで6試合にスタメン出場と“助っ人”としての役割を果たしている。

 戦力としての評価が高まる一方、乾の加入以前からアラベスと日本サッカーは深いつながりを築き始めていた。昨年11月25日、1万人を超えるサポーターが集結した当時J3の鹿児島ユナイテッドの本拠地である白波スタジアムのVIPルームには、アラベスを運営するバスコニア・グループCEO(最高経営責任者)であるアリツ・ケヘレタ氏をはじめ、幹部スタッフがJ2昇格の瞬間を見守った。そして試合直前には、鹿児島とアラベスの業務提携が発表されていた。

 乾のアラベス移籍は、日本代表アタッカーが出場機会を得て戦力的な価値を見出す以上に大きな意味を持っている。もちろん、乾は今やアラベスというチームにとって戦力的に重要なピースだ。しかし将来的には単なるピースではなく、スペインサッカーと日本サッカーをつなぐシンボルとしての役割も期待されているようだ。鹿児島との提携に動いたアリツ氏に、乾が加入しコンスタントに活躍するこのタイミングで、あらためてJリーグクラブとの提携について話を訊いた。

   ◇   ◇   ◇

――鹿児島との業務提携には、どのような期待を持っていますか?

「鹿児島との提携は我々のグローバル戦略の一環です。私たちは鹿児島を兄弟のように見ています。それは彼らが成長するために必要な哲学が、我々と非常に良く似通っているからです。地域的にも似ているかもしれません。農産業への従事率や依存度であったり、もちろん町としての大きさは我々のビトリアは鹿児島には遠く及びませんが……。

 私たちは、この提携を通して鹿児島が素晴らしいアカデミーの仕組みを持つことを期待していますし、地域のコミュニティーがスポーツの活動を通してお互いの距離が近くなることはとても大事なことだと考えています。そうしたことを一緒にしていけることが、我々のこの提携への期待です」

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