「2011年のメンバーを超えたい」 なでしこ籾木、女子W杯で目指す“新たなストーリー”

「2011年とは違う世界一を経験したい」と決意表明をした【写真:Getty Images】
「2011年とは違う世界一を経験したい」と決意表明をした【写真:Getty Images】

「2011年とは違う世界一を経験したいし、皆さんにもその感動を味わってほしい」

「サッカーのレベルという以前に、コンディションをキープしたいですね。サッカー人生の中で、半年間休むのは初めての出来事。正直、リハビリをやっていても先が見えませんでした。怪我から復帰して半年経ちますが、これまで取り組んできた体の使い方の改善がサッカーに順応してきて、今はコンディションの良さを感じています。怪我をせずに6月の本大会を迎えられればなと。もちろん、自分が(W杯メンバーに)選ばれたらという前提での話なんですけどね(苦笑)」

 2011年、日本女子代表はドイツで開催されたW杯で見事に大会初優勝。MF澤穂希やMF宮間あや、MF阪口夢穂らを筆頭に、最後まで諦めずに戦う姿は人々の感動を呼び、「なでしこジャパン」の愛称はサッカーファン以外にも広く知られるようになった。その一方で、銀メダルを獲得した2012年ロンドン五輪以降、少しずつ女子サッカーの人気にも陰りが見られるようになった。籾木は目標を「世界一」に設定したうえで、「2011年のあのメンバーを超えたいという思いがあります」と強い決意を口にする。

「2011年のなでしこジャパンの優勝は、東日本大震災で気持ちが沈んでいるなかで、日本サッカー界初の快挙で日本を勇気づけてくれました。正直に言えば、あの感動はもう超えられないだろうと思う自分もいます。ただ、優勝以上のものを残したいという気持ちもあります。

 なでしこジャパンと言うと、あの2011年、2012年のメンバーを思い浮かべる人が多いと思います。自分たちが世間的に見て、なかなかなでしこジャパンとして認知してもらえないメンバーだからこそ、今まで悔しい思いをしてきたストーリーがある。そのストーリーを皆さんに知ってもらいながら優勝を果たした先に、新たな“世界一のストーリー”ができ上がるんじゃないかなと。私自身、2011年とは違う世界一を経験したいし、皆さんにもその感動を味わってほしいです」

 なでしこジャパンの新たな歴史を作るために――。籾木は大きな決意と野心を持って、女子W杯まで一気に駆け抜ける。

(FOOTBALL ZONE編集部・小田智史 / Tomofumi Oda)



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