「流動的4-2-3-1」が生む日本代表の高速アタック アジア杯へ高まる期待と不安材料

1タッチ、2タッチのパス交換を連続させ守備側を“無力化”

 4人が絡んで決めた4点目もそうだし、ベネズエラ戦の得点も、1タッチ、2タッチのパス交換を複数の選手で連続することで、守備側の能力を“無力化”していた。彼らカルテットの攻撃力がどこまで通用するのか、アジアカップは楽しみな一方、キルギス戦を見る限り、バックアッパー組との戦力差の大きいことを改めて痛感させられた。そして長友の代わりは、右利きの佐々木翔では攻守に見劣りするだけに、アジアカップに向けては見切り発車になるという懸念材料もある。

 長友の経験値を上回る選手などいないが、彼の後継者探しも森保ジャパンにとっては急務である。森保監督は武藤嘉紀、久保裕也ら、これまで呼んだことのない海外組も追跡していると言う。現在UAEへ遠征中の東京五輪組も含め、果たしてアジアカップの招集メンバーにサプライズがあるのかどうか。こちらも楽しみに待ちたい。

(六川亨 / Toru Rokukawa)



六川 亨

1957年、東京都生まれ。月刊サッカーダイジェストの記者を振り出しに、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任。01年に退社後はCALCIO2002、プレミアシップマガジン、サッカーズ、浦和レッズマガジンなどを創刊して編集長を務めた。その傍らフリーの記者としても活動し、W杯や五輪などを取材しつつ、「サッカー戦術ルネッサンス」(アスペクト社)、「ストライカー特別講座」、「7人の外国人監督と191のメッセージ」(いずれも東邦出版)などを刊行。W杯はロシア大会を含め7回取材。現在は雑誌やウェブなど様々な媒体に寄稿している。

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