久保建英と同じ17歳の“スーパータレント” 斉藤光毅が抱く「ワールドクラス」への野心

(左から)FWアグエロ、FWアザール【写真:Getty Images】
(左から)FWアグエロ、FWアザール【写真:Getty Images】

理想の選手は「アグエロかアザール」 いずれは「そこに行きたい」

 北朝鮮戦では久保のスルーパスに見事な動き出しで合わせて、左足で鮮やかにゴールを決めた。その久保については「同年代とかはあんまり関係なく。もちろん自チームで建英が点取ったりとか、そういうのは自分で刺激を受けています」と語る。それでも現在は、U-19日本代表のチームメイトとして「チームとして年齢とか関係なく、チームワークをしっかりと築いていければ」と切り替えて考えているようだ。

「ユースからトップに上がって、それでしっかりもらう前のアイデアみたいなものを、しっかり持っておかないと何もできなくなっちゃうので、そこは練習中も意識しながらやっているんですけど、そういうアイデアがハマるのもあれば、その一個のアイデアがダメだった時に二個目のアイデアが上手く出てくると思うので、そこはしっかり意識してやっていきたい」

 攻撃のビジョンについてそう語る斉藤。ここまでの2試合では2得点につながった動き出しの良さが目立つ斉藤だが、ドリブルからシュートに持ち込むプレーも得意としており、理想の選手として「アグエロとかアザールですね」と名前を挙げた。憧れの選手に、同じポジションのワールドクラスの名前を挙げる選手は珍しくないが、斉藤がただの若者ではないのは「トップクラスなので、そこには行きたい」と、明確にイメージしていること。単なる憧れではなく目標なのだ。

「やっぱり毎週毎週、得点を量産できるFWになっていかないとダメですし、苦しい時に結果を残せるFWだったり、アタッカーになっていければなと思います」

 そう語る斉藤は前回のU-20W杯で活躍したMF堂安律(フローニンゲン)が、すでにA代表で活躍していることにも刺激を受けている。「この大会を通して上手く上にもっともっと行ければ」と、まだあどけない表情の中にも野心を隠さない17歳だが、「まず(U-20)W杯の切符を勝ち取って、アジアチャンピオンになるというのをしっかり目標にして、一個一個の試合で今のチームに貢献して、個人的にも良いプレーができたら」と、地に足をつけてステップアップしていく大事さも自覚している。

 同年代の先頭を突き進んできた久保を一つの刺激にして、ここまで駆け上がって来た斉藤。良きライバルとして、頼れるチームメイトとして、ともに世界への道を突き進んでいく。

(河治良幸 / Yoshiyuki Kawaji)



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河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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