日本のW杯8強進出に必要な「対多様性」 森保監督の“継続路線”の先にある高い壁

森保ジャパン初陣となったコスタリカ戦は3-0の快勝だったが…【写真:Getty Images】
森保ジャパン初陣となったコスタリカ戦は3-0の快勝だったが…【写真:Getty Images】

ロシアW杯で実現した「日本らしいサッカー」の継続

 日本代表の森保一監督はシステムを固定して選手を入れ替えながらテストしていくのではないかと、前回のコラムで書いたわけだが、初陣となったコスタリカ戦(3-0)は3バックではなく4バックだった。もっとも森保監督はシステム自体にこだわりはなく、3バックと4バックの両方を使い分けられるようにしたいようで、先発メンバーの顔ぶれからすると、4-2-3-1しか選択の余地はなかった。

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「システムよりも原理原則。ロシア・ワールドカップ(W杯)での西野監督から学んだことをつなげる意味もあった」(森保監督)

 原理原則をコンセプトと捉えれば、フォーメーションは変化してもいいし、むしろ変化させたいということだろう。そして、確かにロシアW杯の継続はできていた。メンバーを一新したのに、全体の印象はロシアW杯のチームと同じだったのだ。

 森保監督が何を西野前監督から学んだのかは分からないが、ロシアW杯の収穫の一つが「日本らしいサッカー」の実現だった。あまり規制をかけずに選手にある程度判断を任せれば、自然とコンセンサスはとれる。プレーモデルの細部を詰めないほうが、かえって統一感が出るという、均質性の高い日本ならではのアプローチの有効性に気づいたW杯だったと思う。

 堂安律、南野拓実、中島翔哉の2列目を活用するには3-4-2-1では難しく、4-2-3-1で正解だった。守備に関しては4-4-2のコンパクトなゾーンを組み、各ポジションの動き方も定石どおり。ミドルゾーンでのプレスを行うには、3-4-2-1ではウイングバックとシャドーの移動距離が長すぎるので向いていない。ロシアW杯の継続という点で言えば、4-4-2ブロックのほうがスムーズである。

 滑り出しは上々。ただ、このサッカーの延長ではW杯ベスト8にはおそらく届かない。ベスト8以上を目標とするならば、多様性のあるチームへの対策がないと厳しいからだ。

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西部謙司

1962年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌の編集記者を経て、2002年からフリーランスとして活動。1995年から98年までパリに在住し、欧州サッカーを中心に取材した。戦術分析に定評があり、『サッカー日本代表戦術アナライズ』(カンゼン)、『戦術リストランテ』(ソル・メディア)など著書多数。またJリーグでは長年ジェフユナイテッド千葉を追っており、ウェブマガジン『犬の生活SUPER』(https://www.targma.jp/nishibemag/)を配信している。

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