「銀メダルは称賛に値する」 U-21日本代表を“変貌させた”森保采配に英記者が賛辞

東京五輪世代の選手層は「潤沢である」と知ることができた

 大学生ストライカーは大会中に進化を示した。初戦のネパール戦で決勝点を決めたが、チームメイトとの連携の未完成ぶりからか、どこか自信がないようなプレーに見えた。

 だが、韓国との決勝戦では延長後半に見事なヘディングシュートを決めた。日本にとっての追撃のゴールは、この試合のハイライトとなったが、上田自身も約3週間の活動期間のなかで自信と機能性を高めた。この功績は森保監督によるものだろう。インドネシアの大地で、“森保チルドレン”は逞しく伸びた。

 銀メダルを恥じることは何もないと思う。アジア大会に関する、日本の若きサムライたちの状況を考えてほしい。限られた準備期間、東京五輪を見据えてU-21代表で臨んだ日本に対し、相手は軒並みU-23代表。さらに前述したとおりJリーグ各クラブ1選手のみという招集人数制限……。最強メンバーで臨んだ韓国との、タイトル獲得に対する環境的な差は歴然だった。

 A代表と五輪代表を兼務する大きな使命を託された森保監督にとって、初の国際舞台は素晴らしいものになったと思う。日本代表の指揮官は2020年東京五輪に向けた選手層が、大会前のイメージより遥かに潤沢であることを知ることができたのだから。

[記者PROFILE]
マイケル・チャーチ。英「PA通信」のアジア支局長、AFC機関紙「フットボール・アジア」編集長を歴任。ワールドカップとアジアカップをそれぞれ6大会取材したスポーツジャーナリスト。かつては東京在住で、現在は香港に拠点を置き、アジアサッカーを20年間カバーしている。

(マイケル・チャーチ/Michael Church)



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マイケル・チャーチ

アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。

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