【W杯詳細分析・日本-コートジボワール】データから浮き彫りとなった日本の敗戦の要因とザッケローニ監督へのメッセージ

 この負けは決勝トーナメントに勝ち残るための大事な試練なのだろうか?この試練を乗り越えるために何を行えば良いのだろうか? この敗戦のメッセージをデータから読み解いていきたい。

 日本代表はワールドカップ(W杯)本戦に進むためにアジアでの予選を勝ち抜かなければならない。それは決して簡単な行程ではない。移動にかかる時間、欧州に散らばっている選手の招集の難しさ、高温多湿のアジア特有の気候……。しかし日本はブラジルW杯予選を圧倒的な攻撃力で勝ち抜き、世界最速で出場権を手にした。

 日本はザッケローニ監督が目指す連動した動きで小気味よくパスを回しイニシアチブをとって試合を進める。その結果、アジアでの試合では60%のポゼッション率を誇る。サッカーは自分たちがボールを持って色々考えながらプレーしている時が楽しい。しかし相手にボールを持たれてしまうとその対応は常に緊張感とハードワークが伴う苦しい時間へと変わる。そしてそれぞれの状況の中で自ら走るか、相手に走らされるかということになる。

 しかし世界のトップレベルのスキルはまだアジアとは比較にならない。世界の強豪相手との試合では日本のポゼッション率は40%にまで下がることはざらだ。

 振り返れば、2010年のワールドカップ南アフリカ大会では、直前2試合のイングランド戦、コートジボワール戦で世界で戦う厳しさを経験し、本戦に向けて戦術を現実的なものに変更して結果を出した。一方、その後を引き継いだザックジャパンは、世界の強豪相手にも怯むことなく攻撃的サッカーを貫くという選択をした。そして、この4年間、連動性、コンパクト、深み等、様々な具体的戦術と共に「自分たちの」サッカーの完成度を高めていった。

 自分たちのサッカーがどこまで出来たか見てみよう。初戦の試合のポゼッション率は前半日本40.3%:コートジボワール59.7%、後半は3.5%ほど改善したものの43.8%:56.2%だった。パスの成功率に至ってはコートジボワールの89%に対して日本代表は79%だった。

 

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