韓国女子代表イ・ミナの素顔 INAC加入6カ月、「毎日、ほぼ自炊」の日本挑戦

初めての一人暮らし「ご飯をどうしようかと悩みました」

 また、韓国にいた時とは練習内容も大きく変わった。チームによって目指すサッカーが違うのだから、それは当然のこと。そんななかで新しい発見もしているという。

「チームでゲーム形式、実戦形式の練習をこなすことで新しい発見がたくさんありました。まず集中力が落ちないということ。それに状況判断が即時に身につきます。特に狭いスペースを使った練習は日本のサッカーの特徴とも思いました。日本の選手は狭いスペースでのパス回しや技術にすごく長けている印象です。こうした練習にもっと適応していけば、どんどん自分の長所を出していけると考えています」

 チームのサッカーに馴染むための苦労は、もちろん生活面にも及ぶ。韓国が同じアジア圏で、日本の文化にそれほど差異がないとはいえ、イ・ミナにとっては初めての海外生活。慣れないことの方が多い。

 一番大きく変わったのは、寮生活から日本に来て初めて一人暮らしを始めたことだ。

「韓国にいる時は先輩や後輩たちと一緒に寮で過ごし、食堂でご飯を食べていました。日本に来てからは一人暮らしなので、ご飯をどうしようかと悩みました。サッカー選手なので、体には気をつけないといけませんし、しっかり栄養あるものを食べないといけません。それで毎日、ほぼ自炊しています」

金 明昱

1977年生まれ。大阪府出身の在日コリアン3世。新聞社記者、編集プロダクションなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めた後、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。2011年からは女子プロゴルフの取材も開始し、日韓の女子ゴルファーと親交を深める。現在はサッカー、ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。近著に『イ・ボミ 愛される力~日本人にいちばん愛される女性ゴルファーの行動哲学(メソッド)~』(光文社)。

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