J1広島、首位快走の陰に「青山中心論」あり 主将の“成熟”に見える新たな強みとは?

「青山というキャプテンが真価を問われるのは順風満帆にいかない時」

 たとえばリーグ第14節のベガルタ仙台戦、相手に先制されてさらに攻撃を受けた前半23分、ボールを受けた青山はわざとボールを後ろで回し、安全な株を買い続け、横と後ろでポゼッションを続けた。約1分30秒、青山を中心としてボールを保持し続けたのだ。チャレンジもなく、縦に入れるわけでもない。よく「パスの出しどころがない」という表現をするシーンだが、実はそうではない。このポゼッションの後、広島は仙台を押し込みはじめ、前半41分にパトリックが同点弾。ペースを完全に握り、3-1で勝利を収めた。この試合が「青山中心論」の証明である。

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「彼をキャプテンに指名して、良かったですね」

 城福監督は笑顔を見せながら、答えた。

「本当に青山というキャプテンが真価を問われるのは、そして我々が真価を問われるのは、順風満帆にいかない時。その時こそ自分たちを失わず、チームが一丸となってやれるかどうか。彼が先頭に立ってチームを一つにまとめてもらいたい」

 指揮官は期待する。青山も、そして選手たちも、自分たちに期待している。その期待を実現するかどうか、それもまた広島自身である。

(中野和也 / Kazuya Nakano)



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