西野監督の“バクチ采配”はむしろ称賛に値 胆力が示したリーダーのあるべき姿

ポーランド戦の終盤に“究極の選択”を下した西野監督【写真:Getty Images】
ポーランド戦の終盤に“究極の選択”を下した西野監督【写真:Getty Images】

W杯ポーランド戦の終盤に消極的なパス回しを選択、会場では大ブーイングも発生

 日本代表は現地時間28日、ロシア・ワールドカップ(W杯)グループリーグ第3戦のポーランド戦で0-1と敗戦。勝ち点4でセネガルと並んだ日本だが、イエローカード2枚差の「フェアプレーポイント」で上回り、3度目の16強進出を決めた。ポーランド戦の終盤に日本が見せた消極的なパス回しが賛否を呼んでいるが、西野朗監督の“バクチ采配”は称賛されるべきものと言えるだろう。それはリーダーとしてのあるべき姿を見せたからに他ならない。

 ポーランド戦後、西野監督は「非常に厳しい選択。万が一という状況は、ピッチ上でもさらに考えられた。もちろん、他会場の中でも万が一もある。選択したのは、そのままの状態をキープすること。これは間違いなく、他力の選択をした」と激闘を振り返る。さらに「ゲーム自体に負けている状況をキープしている自分、チーム、それも納得がいかないというか、本意ではない選択をしている。他力に頼っている我々。ただ、非常にシビアな状況だったと思う」と続けた。

 日本はポーランド戦引き分け以上で自力のグループリーグ突破が決まる状況だったが、後半14分に被弾。そのまま終えると他会場のコロンビア対セネガル戦の結果次第という状況のなか、この時点では日本も反撃の意思を見せていた。ところが後半29分にコロンビアが先制したという情報が日本ベンチに入ると状況が一変。後半37分、FW武藤嘉紀に代わってMF長谷部誠を投入し、以降の日本はリスクを負って攻めるのを止めている。

 0-1とリードを許していた日本だが、それ以上に失点せず、イエローカードも受けずに終えれば、セネガルをイエローカード2枚差で上回れる状況だった。他会場でスコアが動かないことを想定し、日本は後方で消極的なパス回しを徹底。一方のポーランドもリードしており深追いせず、弛緩したゲームに会場のファンから大ブーイングが起き、試合終了前にゾロゾロと帰り始める人もいたほどだ。

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