ハリル解任を巡るミステリー 日本はW杯直前に「しょうもない理由」で首を絞めた?

日本サッカー協会の田嶋会長(左)と代表監督を解任されたハリルホジッチ氏【写真:Getty Images】
日本サッカー協会の田嶋会長(左)と代表監督を解任されたハリルホジッチ氏【写真:Getty Images】

日本サッカー協会の解任理由と一致しないハリル氏の反論内容

 日本代表前監督のバヒド・ハリルホジッチ氏の会見が先日行われ、日本サッカー協会の解任理由の説明と合わないところが出てきている。

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 ハリルホジッチ氏によると、選手とのコミュニケーションの問題は「なかった」という。これは技術委員長だった西野朗新監督の見解ともほぼ一致している。3月のベルギー遠征の2試合(マリ戦/1-1、ウクライナ戦/1-2)は結果、内容とも低調だったから、選手たちが一致団結して盛り上がっているような状況でないのは容易に想像できるわけだが、だからといってチームを維持できないほど危機的でもなかったというのが現場の感触だったようだ。

 一方、協会の田嶋幸三会長が解任理由として挙げたのは「信頼関係が薄らいできた」だった。そもそも「薄らいできた」くらいでワールドカップ(W杯)本大会の約2カ月前に監督を解任することはないので、その時は柔らかい表現にしたのだろうくらいに思っていた。よほどチーム内が危機的な状況なのだと脳内解釈していた。

 田嶋会長とハリルホジッチ氏、どちらかの認識が間違っている、あるいは嘘をついていると仮定してみる。

 田嶋会長の認識が間違いだった――これはありそうな話だ。ハリルホジッチ氏、西野前技術委員長、何人かの選手コメント、つまり現場の意見をまとめると田嶋会長が解任やむなしと考えなければならないほどの危機的状況は存在しない。もし、田嶋会長の勘違いなら、恥ずかしい話だが間違いを認めて再就任を要請するか、早とちりでしたと謝るしかない。

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西部謙司

1962年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌の編集記者を経て、2002年からフリーランスとして活動。1995年から98年までパリに在住し、欧州サッカーを中心に取材した。戦術分析に定評があり、『サッカー日本代表戦術アナライズ』(カンゼン)、『戦術リストランテ』(ソル・メディア)など著書多数。またJリーグでは長年ジェフユナイテッド千葉を追っており、ウェブマガジン『犬の生活SUPER』(https://www.targma.jp/nishibemag/)を配信している。

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