ミランのベルルスコーニ会長がインザーギ監督の解任を明言か

ヴィジョンに相違か

 ACミランのシルビオ・ベルルスコーニ会長が、フィリッポ・インザーギ監督を今季限りで解任させる方針を明らかにしている。イタリア地元紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」が「ピッポと決着をつける。ミラン、監督候補は3人」と特集した。
 昨季ミランの下部組織を率いていたインザーギ監督は今季、ミランのトップチームの監督に就任した。序盤に鋭いカウンター戦術で手腕を発揮したが、リーグ後半に失速。現在リーグ11位と、2年連続で欧州のカップ戦出場権を喪失する可能性が高まっている
 ベルルスコーニ会長は「インザギとはヴィジョンに相違があった。違う展望を持 っている」と語り、記事では「ベルルスコーニはインザーギを落第させた」と指摘している。日本代表FW本田圭佑を序盤戦で輝かせた恩人は、来季まで契約期間を残していたが、監督の座を退くことが事実上決まった。
 候補者は3人で、レアル・マドリードのカルロ・アンチェロッティ監督、イタリア代表のアントニオ・コンテ監督、そして、セビージャのウナイ・エメリ監督の名前が挙がっている。
 「コリエレ・デロ・スポルト」紙もインザーギ監督の落第を報じる一方、後任候補にフィオレンティーナのビンチェンツォ・モンテッラ監督か、元イタリア代表のマルチェロ・リッピ監督を後任に挙げている。
 候補者5人のうち、スペイン人のエメリ監督以外の4人はイタリア人監督。リッピ、ア ンチェロッティ両氏は実績、手腕、名声ともに世界トップクラス。コンテ監督も昨季までユベントスを3連覇に導き、エメリ監督とモンテッラ監督の2人は若手の戦術家として高い評価を得ている。いずれも名将だ。
 クラレンス・セードルフ元監督、インザーギ監督と2代続けて、指導歴のないクラブレジェンドを監督に据えて任期を待たずに解任し、契約期間中の違約金を払い続けるという魔のサイクルに突入しているミランは、名将を招聘(しょうへい)し、かつての名門を復活させることができるだろうか。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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