「弱気な選手が何人か見えた」 ACL敗退危機の川崎DF、敵地での消極的な戦いに悔い

ACLグループステージ第4節を終えて1分3敗とした川崎は、崖っぷちの状況に追い込まれた【写真:Getty Images】
ACLグループステージ第4節を終えて1分3敗とした川崎は、崖っぷちの状況に追い込まれた【写真:Getty Images】

メルボルンにまたも後半ATに得点許し0-1敗戦 谷口「強気で行こうと話していたけど…」

 またしても勝利は遠かった。川崎フロンターレは13日、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)のグループステージ第4節でオーストラリアのメルボルン・ビクトリーと敵地で対戦し、あと一歩ゴールを決め切れない展開が続くと、ホームでの第3節(2-2)と同様に後半アディショナルタイムに失点を許し、0-1で敗れた。これでグループステージを1分3敗とした川崎は、わずかながら突破のチャンスを残しているものの非常に厳しい状況に追い込まれた。

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 チャンスを決め切れないと、最後に痛い目に遭うという典型的な試合展開だった。「最初の入りは決して悪くなくて、チャンスはいくつか作っていた」と鬼木達監督が振り返るように、序盤から主導権を握っていたのは川崎だった。疲労面を考えて、これまであまり出番のなかった選手を多く起用した中で、そのフレッシュな選手たちが攻守に絡み攻撃を構築。前半2分、7分とFW知念慶がシュートを放てば、同10分のFW大久保嘉人の一撃がバーを直撃するなどゴールに近づいていく。

 だが、ここを決め切れなかったことが痛恨だったと、知念は自戒を込めて言う。

「先に得点を決めていたらディフェンス陣も楽になっていたと思う。それなりにチャンスもあったけど、FW陣がチャンスを決め切れなかったのが今日の敗因かなと思います」

 その後、チームは徐々に攻守の連携がかみ合わなくなり、前半28分には自分たちのミスから決定機を献上。これはなんとか防いだものの、流れは完全にメルボルンへと移行していった。「みんな強気で行こうという話はしていたけど、弱気な選手が何人か見えたなというのがチームとして残念でした。勝たなければならないということは分かっているのに、もう少しアグレッシブに点を取りに行きたかったなというところ。そこを全員で合わせられなかったのが悔しい」とはDF谷口彰悟の言葉。攻撃に向かうところでチームの意思統一を図ることができなかった川崎は、結果的にメルボルンの猛攻を受けることとなってしまう。

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林 遼平

はやし・りょうへい/1987年、埼玉県生まれ。東日本大震災を機に「あとで後悔するならやりたいことはやっておこう」と、憧れだったロンドンへ語学留学。2012年のロンドン五輪を現地で観戦したことで、よりスポーツの奥深さにハマることになった。帰国後、サッカー専門新聞『EL GOLAZO』の川崎フロンターレ、湘南ベルマーレ、東京ヴェルディ担当を歴任。現在はフリーランスとして『Number Web』や『GOAL』などに寄稿している。

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