アーセナルのレジェンドである元フランス代表FWティエリ・アンリ氏がワールドクラスの4選手獲得を来季の優勝条件に挙げた。だが、アーセン・ベンゲル監督は、それを批判。地元紙「ガーディアン」が報じている。 アーセナルは首位チェルシーとの直接対決で猛攻を仕掛けながらも0-0でゴールを奪えず、事実上優勝のチャンスを逃した。アンリ氏は、その試合後、アーセナルが来季優勝するために、FW、ボランチ、センターバック、GKを補強すべきだと主張した。同国出身の後輩オリビエ・ジルーに関しては満足できず、ワールドクラスのストライカーの補 強を主張した。チェルシーのジョゼ・モウリーニョ監督も、アンリ氏の発言に同調し、アーセナルがトップクラスの4人を補強できれば「再びインビンシブル(伝説の無敗リーグ優勝)になれる」と語っていた。 一方、ベンゲル監督はレジェンドの苦言に反論した。 「彼は間違っていると思う。彼はコメントすることで対価を得ている。特にテレビはそうだが、現在のメディアのシステムは誰もが理解している。私もそうだ。彼らは大金を支払うために、議論を起こすことを強いられる」 自身もフランス国営テレビやアルジャジーラTVなどで解説者を務めた経緯から、フランス人指揮官はそう発言した。 空中戦に強さを見せるジルーはリーグ戦では14得点を挙げ、今季公式戦18得点を記録 するなど、才能を開花させた。公式戦22得点のチリ代表サンチェスに続く、ゴール数を誇っているが、アンリ氏はプレミア優勝チームのセンターフォワードとして実力不足と見ている。指揮官は、それに異を唱えた。 「意見は受け止めよう。だが、ジルーに関するコメントは特に違うと思う。特に私はニコラ・アネルカ、ティエリ・アンリ、そして、ロビン・ファン・ペルシーについても同じような発言を聞いてきた。だが、彼らはワールドクラスの選手に成長した」 ベンゲル監督はかつてウインガーから世界屈指のストライカーに開花させた、アンリ氏を含む教え子の名前を並べ、ジルーのさらなる覚醒に自信を深めていた。 【了】 サッカーマガジンZONE編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images