ACミランは来季、フィリッポ・インザーギ監督の後任として、元ゼニト監督のルチアーノ・スパレッティ氏を招聘(しょうへい)する可能性が高まっている。イタリア地元紙「トゥット・スポルト」が報じている。 現在シルビオ・ベルルスコーニ会長とミランの株式の過半数51%の買収交渉を続けているビー・テチャウボン氏は、新監督としてスパレッティ監督を選任する方針を固めたという。ミランはクラレンス・セードルフ前監督に続き、指導者として実績のないクラブレジェンドのインザーギ監督を続けて招聘する賭けに出た。だが、2年連続で欧州のリーグ戦出 場権を逃すことが決定的な状況で結果は出ていない。 その点、スパレッティ監督の実績は抜群だ。守備的な戦術を用いることが多いイタリアで、ウディネーゼ、ローマなどを率い、攻撃的なサッカーを見せてきた。2014年3月にゼニト監督を解任されたスパレッティ監督は、今年6月でゼニトからの違約金の支払いが完了する。そのため、来季以降の交渉はスムーズとなる。もしも、スパレッティ監督が就任すれば、ミランとしてはクラブレジェンド路線からの大きな転換となる。 一方、衛星放送「スカイ・イタリア」は、テチャウポン氏の大胆な刷新案も報じている。元イタリア代表DFで中国1部広州恒大を率いるファビオ・カンナバーロ氏が来季監督に据え、クラブの有力OBであるパオロ・マルディーニ 氏と、ジェンナーロ・ガットゥーゾ氏、さらにユベントスやイタリア代表を率いた名将マルチェロ・リッピ氏をコーチや強化担当として迎え入れるという。 実績豊富なスパレッティ路線が名門復活への手堅い一手にも見えるが、インザーギ監督の後任人事には買収交渉とともに大きな注目が注がれている。 【了】 サッカーマガジンZONE編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images