過酷な環境で懸命に指揮を執るドナドーニ監督

　ACミランが来季の新監督として、破産宣告を受けるなど経営難に苦しんでいるパルマのロベルト・ドナドーニ監督を招聘する可能性が浮上した。イタリアサッカー情報サイト「カルチェメルカートウェブ」が報じている。

　昨年7月から選手、スタッフへの給料の支払いがストップ。クラブハウスへの電気の供給が滞り、選手が真冬に冷水でのシャワーを強いられるなど、苦境の連続だったパルマは元イタリア代表FWアントニオ・カッサーノら主力が次々と契約解除となり、1月の移籍市場ではファイヤーセールも敢行した。

　そのパルマを昨季、6位に導いたドナドーニ監督は他クラブからのオファーに首を縦に振らず、給料未払いのまま窮地のクラブを率いている。最下位ながら最近の3試合ではインテルと引き分け、ウディネーゼ、首位ユベントスから勝利を奪っている。

　指導力のみならず、泥舟状態のパルマにとどまる男気もイタリアで高く評価されるドナドーニ監督はミランの来季監督候補に浮上したという。ミランはフィリッポ・インザーギ監督の来季続投条件に欧州のカップ戦出場圏獲得を挙げているが、現在8位で難しい状況だ。

　かつてイタリア代表も率いたドナドーニ監督もまたミランの黄金時代を支えたOBの1人。セリエA6度、欧州チャンピオンズリーグ3度優勝に貢献したレジェンドでもある。

　ミランの監督人事に加え、窮地のパルマで評価を高めているドナドーニ監督の来季去就にも大きな注目が集まっている。

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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文　text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真　photo by Getty Images