スーパーセーブ連発の22歳GK中村、圧巻のA代表デビュー 「日本を背負って立ちたい」

北朝鮮相手に苦戦も、無失点で乗りきり1-0勝利に導く

 北朝鮮と激突した9日のE-1選手権初戦、明らかに連係不足の日本代表にあって最もアピールに成功したのは22歳の若き守護神だった。この試合が国際Aマッチ初出場となったGK中村航輔(柏)が、チームの窮地を救うスーパーセーブを連発。1-0の勝利を導く原動力となった。

 23人すべてを国内組で固めて挑んだ今大会、日本は攻守ともにチグハグさが目立ち、北朝鮮のカウンターを浴びる場面が続く。そこにことごとく立ちはだかったのが、中村だった。まずは前半25分、相手MFリ・ヨンジのシュート性のパスに対してゴール前のチョン・イルグァンが右足で合わせる。フリーでシュートを許す大ピンチだったが、中村は鋭い反応でセーブした。

「チームとして勝利を目指す中で貢献できたんじゃないでしょうか。初めてでしたけど、こういった苦しい試合を乗り切って日本を背負って立ちたいですね」

 試合後、こう語った中村。後半に入ってもカウンターに苦慮する日本で、中村が獅子奮迅の働きを見せた。後半24分、日本の右サイドからクロスを上げられると、最終ラインが再びチョン・イルグァンをフリーにしてしまい、頭で合わされる。しかし中村は横っ飛びでシュートに反応し、同37分にもゴール正面で放たれた鋭いシュートを両手ではじき出し、後半アディショナルタイムの井手口陽介(G大阪)の決勝点まで耐えきった。「リーグと変わらず、いつも通りプレーできたと思います」と話した通り、今季のJリーグベストイレブンに選ばれた実力を、遺憾なく発揮した。

 中村は将棋が趣味と語り、勝負師としての一面も持つ。チーム全体が低調な中で次代の守護神候補、そしてロシア・ワールドカップ23人枠への滑り込みに向けて、歩を進めたのは間違いない。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

page 1/1

今、あなたにオススメ

トレンド