36年ぶりW杯出場の“伏兵”ペルー 元Jリーガーが語る「南米一の強靭な精神力」とは

“ペルー歴8年”の元柏レイソルMF澤に聞く、過酷な国内リーグの現状

 ニュージーランドとの大陸間プレーオフを制し、1982年以来9大会ぶりのワールドカップ(W杯)出場を決めたペルー代表。激戦の南米予選を5位で勝ち抜き、32カ国目の予選突破国となったが、同大陸の大国ブラジルやアルゼンチンに比べて日本では馴染みが薄い。代表メンバーの半数近くが国内リーグでプレーしているが、その環境とはどのようなものなのだろうか。2008年から13年まで柏レイソルでプレーし、現在はペルー1部のデポルティボ・ムニシパルに所属するMF澤昌克に話を聞いた。

 澤はアルゼンチンの名門リバープレートの下部組織出身で、05年にペルーのスポルティング・クリスタルでプロデビュー。その後、06年にコロネル・ボロネーシで頭角を現し、07年にはデポルティボ・ムニシパルでリーグ最優秀外国人賞を獲得、ペルー代表入りも打診された。08年にはシエンシアーノに移籍し、コパ・リベルタドーレスにも出場している。

 その後08年8月から13年まで、5年半にわたって柏レイソルで過ごし、11年にはJ1リーグ制覇に貢献。14年から妻の母国でもあるペルーに戻り、当時2部だった古巣デポルティボ・ムニシパルを1部に昇格させた。今年で在籍4年目、“ペルー歴8年”になる澤は、南米屈指のリーグ環境の厳しさを最大の特徴に挙げた。

「ネックは酸素の薄い高地での試合です。僕がプレーするムニシパルは海抜0メートルのリマにあるので標高は問題ないのですが、ペルーにはアンデス山脈がまたがっていて、アウェーの試合の半分は2350~3400メートルの高地になる。隣のボリビアも高地での試合が多く、中には4100メートルの街での試合もありますが、向こうは移動は飛行機ばかり。ペルーはバスでの長時間移動もあるので、体力的にも消耗が大きい。南米で一番きついリーグだと言われているんです」

 

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