神戸FWポドルスキ、近づく本領発揮の時 トップ下起用と言葉に垣間見る“一流の証”

第26節の札幌戦、吹き荒れる雨風も関係なく精度の高いパスを連発

 プレーの正確性は、雨風に見舞われた神戸総合運動公園ユニバー記念競技場のピッチでも明らかだった。

 9月16日に行われたJ1第26節のヴィッセル神戸対北海道コンサドーレ札幌戦。日本デビューを飾った第19節の大宮アルディージャ戦以来、先発のピッチに立ち続けているルーカス・ポドルスキは、この日もスターティングメンバーに名を連ねた。台風の接近で予報通り、雨風にさらされたスタジアムでは、時に蹴ったボールが風で戻されるシーンも見られたが、ポドルスキから繰り出されるパスの数々はほぼパーフェクトな弾道で、ピタリピタリと味方の足もとに収まっていく。彼には、雨も風も関係なかった。

「どちらのチームも同じ条件でプレーしているので、雨が降っているということ、ピッチが濡れていること以外に、特別何かに注意を払うようなことはなかった」(ポドルスキ)

 そのパスの正確性に目をつけて、加入直後は2トップの一角などに据えていたポドルスキを、吉田孝行暫定監督がトップ下に据えるようになったのはここ最近のことだ。

 吉田監督は「フィニッシャーとしてのゴールセンスはもちろんですが、想像以上に出し手としてのパスセンスの高さも感じている。実際、彼はボールを持ったら失わないし、攻撃の起点になるプレーも非常に上手い」と話す。事実、このポジション変更により以前のようにポドルスキが、“宝の持ち腐れ”状態で、前線で孤立するシーンはなくなり、試合のなかでも彼が関わる攻撃回数が格段に増えた。

 

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