レジェンドのフリット氏が主張 「ミランの良い時代は再びやってくる」

伝説の男がサポーターに訴え

 ACミランの黄金時代に活躍した元オランダ代表MFルート・フリット氏は、精彩を欠く古巣が「転換期」にあると主張し、サポーターに忍耐を訴えた。クラブの公式番組「ミラン・チャンネル」で語った。
 今季23節終了時点で勝ち点30で11位。フィリッポ・インザーギ監督率いるミランの1試合当たりの平均勝ち点は、ここ30年間で最低となっている。だが、レジェンドは、苦しむロッソネロに優しい視線を送った。練習場のミラネッロを訪問したフリット氏はこう語った。
「以前は移籍市場で巨大な投資を行い、ビッグスターが数多くいたが、今は時代が違う。経済的な問題を解決しなければいけないが、ファンはこの状況に慣れていない。ファンは常に勝利を求めている」
 フリット氏は、かつて世界最高のストライカーと呼ばれたFWマルコ・ファンバステンと、万能型MFフランク・ライカールトとともに、最強のオランダトリオを結成。彼らをはじめ、歴代のミランには世界屈指のタレントが常に在籍した。だが、今のチームに過去のようなスーパースターは存在しない。
「今ミランは、下部組織への投資に力を入れている。ユース出身の人材を中心にチームを再建するという方針は正しい。新スタジアム建築計画もミランのチーム強化に対するメッセージでもある。ミランは転換期で、時間が必要だ。最終的には良い時代が再びやってくると思っている」
 そう言ってスタンドから激しいブーイングを続けるサポーターに未来を見据えるようにメッセージを送った。さらに、フリット氏は「イタリアは欲しい選手を獲得できたけど、現在はスターはスペインかイングランドにいってしまう」と言い、現在のセリエAのままでは欧州のトップリーグと競争できる状態ではないことも憂いていた。
 イタリア代表も、昨夏のブラジルワールドカップでは1次リーグ敗退に終わっている。セリエAのスタジアムも空席が目立ち、クラブも経営難から一流選手を獲得することが難しくなっている。カルチョを取り巻く環境は冬の時代を迎えている。レジェンドは春が訪れるまで、クラブや、サポーターに我慢の必要があると訴えていた。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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