森保Jに立ちはだかる“日本キラー” 直近2戦3発、代表で見せる破壊力…英国で戦う34歳の圧倒的存在感

ニュージーランド代表FWのクリス・ウッド【写真:ロイター/アフロ】
ニュージーランド代表FWのクリス・ウッド【写真:ロイター/アフロ】

直近2回の日本戦で唯一得点を奪っているクリス・ウッド

 日本代表は10月1日にPK戦の末、エクアドルを下してキリンカップ決勝に駒を進めた。対戦相手は、同じくPK戦でパナマを下したニュージーランド。前回対戦は2017年10月6日、豊田スタジアムで2-1と勝利を収めた。その前は14年3月5日、旧国立競技場の改修前の最後の記念試合「キリンチャレンジカップ2014~ありがとう国立競技場~」として戦っており、そのときは4-2で勝利を収めている。

 ニュージーランドは北中米ワールドカップに出場し、初戦でイランに引き分けたものの、エジプトに1-3、ベルギーに1-5と敗れて大会をあとにした。9年ぶりの対戦、しかもFIFAランクで言えば日本が17位、ニュージーランドは86位と大きな差がある。

 日本の快勝を期待したい相手だが、試合の内容や結果とは別に注目してほしい選手がいる。プレミアリーグ、ノッティンガム・フォレストのクリス・ウッドで、ニュージーランド代表の9番だ。

 ウッドは14年、17年の日本戦にも出場している、34歳の息の長い選手。しかも14年は前半39分にゴールライン付近の角度のないところから、後半35分には右からのクロスに右足のボレーでゴールを奪っている。17年も後半14分に右からのクロスにヘディングで合わせて同点ゴールを叩き込んだ。つまり直近2回の対戦で日本からゴールを奪ったニュージーランドの選手はこのウッドだけなのだ。

 ウッドは2008-09シーズンにウエスト・ブロムウィッチでプレミアリーグデビューするが、なかなか力を発揮できず、その後はプレミアリーグ、チャンピオンシップを行き来した。

 イングランドでの9チーム目となった15-16シーズンのリーズ(当時はチャンピオンシップ)でやっと花開き、16-17シーズンで44試合27ゴールを挙げ、翌シーズンにはプレミアリーグのバーンリーに移籍する。

 バーンリーからニューカッスルを経てイングランドでの12クラブ目となるノッティンガムに移籍したのが22-23シーズン。そして24-25シーズンで爆発した。

 クラブ規模から降格候補かと思われたノッティンガムは、シンプルな戦術で躍進を続け7位に入り、ヨーロッパリーグ出場を決める。この30年ぶりの上位進出及びヨーロッパのカップ戦進出の立役者の1人がウッドだった。ウッドは20点を挙げ得点ランクで4位タイに輝き、ファンからは「ロビン・ウッド」と呼ばれて讃えられる。

 なお、ノッティンガムは1978-79シーズン、79-80シーズンとヨーロッパチャンピオンズカップ(現チャンピオンズリーグ)を2連覇しており、1981年2月に日本で開催された第1回トヨタカップのヨーロッパ代表として来日したことを覚えている方もいるだろう。

 ところが2025-26シーズンに入ると状況は一変。前年の躍進をもたらしたヌーノ・エスピーリト・サント監督を9月に解任すると、その後も次々に監督を招聘しては解任を繰り返し、プレミアリーグとしては初めて1シーズンで4人の監督が指揮を執るという異常事態になった。その解任された監督の中には元横浜F・マリノスのアンジェ・ポステコグルー監督も含まれている。

 この混迷のなかでウッドも輝きを失っている。今シーズンのプレミアリーグではまだ4試合に出場したのみで、フル出場はないどころか合計62分しか出場しておらず、アストン・ビラ戦ではわずか1分だけピッチに立った。

 それでも北中米W杯では衰えていない姿を見せている。イラン戦では前半7分に浮き球を胸で落とすとイライジャ・ジャストの先制ゴールにつなげる。前半のうちに同点とされたが、後半9分、今度はジャストとのワンツーでジャストの2点目をアシストしたのだった。

 191センチ・94キロの巨躯は今でも迫力満点。決して器用ではないものの、相手の技術をパワーで破壊することができるのはイングランドで証明済みだ。11番のジャストとともに日本を悩ませる選手の1人になるだろう。

 10月5日の日本戦では活躍してほしくないが、懐かしい友がまたやってきてくれたということは嬉しいことかもしれない。

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森 雅史

もり・まさふみ/佐賀県出身。週刊専門誌を皮切りにサッカーを専門分野として数多くの雑誌・書籍に携わる。ロングスパンの丁寧な取材とインタビューを得意とし、取材対象も選手やチームスタッフにとどまらず幅広くカバー。2009年に本格的に独立し、11年には朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の平壌で開催された日本代表戦を取材した。「日本蹴球合同会社」の代表を務め、「みんなのごはん」「J論プレミアム」などで連載中。

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