田中達也監督「この組織に2年も3年もいるのでは」 U-21リーグ開幕も…選手に伝える厳しさ

浦和レッズのU-21チームを率いる田中達也監督【写真:轡田哲朗】
浦和レッズのU-21チームを率いる田中達也監督【写真:轡田哲朗】

田中監督「明日にでもここからいなくなり、トップチームから必要とされて」

 Jリーグのシーズン移行とともに今季からスタートするU-21リーグの開幕に向け、浦和レッズのU-21チームが8月20日に公開練習を行った。田中達也監督は選手としてのベースになる部分の強化を大切にするとしつつ、「選手たちに伝えているのは、この組織に2年も3年もいるのではないということ」と、厳しさも垣間見せた。

 U-21リーグには浦和を含め11クラブが参加する。静岡県までの東地区6チームと愛知県からの西地区5チームに分かれてホーム&アウェー方式でのリーグ戦が行われ、別地区のチームと1回ずつ対戦する交流戦ラウンドを経て、最終順位を決めるプレーオフラウンドに進む。初年度の推奨基準は、年齢制限なしのオーバーエイジ(OA)が3人、U-24のOAが4人以内とされている。最大でOAが6人、U-24OAが4人の合計10人まで1試合に登録が可能だが、推奨基準を超えて登録した場合はU-21世代の選手をスタメンに4人以上起用する義務がある。

 浦和はトップチームとユースチームの中間地点にあるU-21チームを独立した「アカデミーで最高峰のチーム」と位置付けた。トップチームにも登録があるDF田中義峯や、オーストラリアU-20代表DFルカ・ディドゥリカはU-21チームをメインにプレーしている。この日の練習では、この2人がセンターバックを組んで主にクロス対応などに取り組んでいた。11対11の紅白戦をできる人数ではない構成とあり、田中監督や興梠慎三コーチ、U-21強化担当の宇賀神友弥氏といった、浦和でプレーした元日本代表選手たちも参加してトレーニングを組み立てていた。

 田中監督は、このチームについて「プロ契約の選手と、現在はまだプロではない選手が混在している組織です。学校生活との両立などもあります。ただ、選手たちに伝えているのは、この組織に2年も3年もいるのではないということです。言ってしまえば、明日にでもここからいなくなり、トップチームから必要とされてチャンスをつかんで、そのままプレーし続ける。そういう選手になるための組織です。対象となるのは18歳や19歳くらいまでかなと考えています」と、U-21チームという名称ながらユースチームの卒業後に時間を与える場ではないと示唆した。

 現在、浦和のトップチームは曺貴裁監督が率いている。即戦力を育成していく場としては戦術などを合わせていくことも必要な一方で、一般論としてプロのサッカークラブで最も監督が交代しやすいのはトップチームだ。そのたびに方針を変えていれば育成の難しさも出るだろう。そうした面について田中監督は「トップチームが取り組んでいるサッカーに少しずつ寄せる部分は、もちろんあります」としつつも、16歳になったばかりの選手もいるなかで重要視するのは、ベースだと明かした。

「16歳くらいの選手であれば、もっと基礎的なところが重要です。どこでボールを奪うのかよりも、まずボールホルダーへプレッシャーをかけるスピードや、それを継続する忍耐力、『内側を切ろう』といった原則を徹底的に身につけなければいけないと思います。その後の、どこで奪うのかは監督によって変わる可能性があります。ただ、そもそも強度がない選手はボールを奪えません。内側を通されたら駄目だという原則が分からない選手に、さまざまなサッカーを伝えても理解できないのではないかと、僕は思っています」

 8月23日の開幕戦は敵地で清水エスパルスのU-21チームと対戦する。田中監督は「相手がどのようなメンバーで臨んでくるのかは予想していますし、Jリーガーが多数出場してくることも想定しています。そういう難しい環境でプレーすることは、選手たちにとって非常にプラスです」と話す。そのうえで「相手との実力差があることは百も承知です。そのなかで、自分ができること、自分たちが目指しているところへ、ひたすら進むだけだと思います。そのために、僕が選手たちへ勇気を与えていきたい」と、力を込めていた。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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