8分間中断→VAR介入も「反則犯してなかった」 支持された現場の主審「正確に読み取っていた」

ベルギー対セネガルの試合で物議の判定【写真:ロイター】
ベルギー対セネガルの試合で物議の判定【写真:ロイター】

米紙がピックアップした「10の誤審」

 熱戦の幕を閉じたFIFA北中米ワールドカップ(W杯)において、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の判定が試合の行方を大きく左右した事例が波紋を呼んでいる。米メディア「ジ・アスレチック」は今大会の判定を検証。ベルギー代表とセネガル代表の試合でユーリ・ティーレマンスが獲得したペナルティーキック(PK)について、「文脈が削ぎ落とされた判定だ」と問題視している。

 映像による確認作業が勝敗を分けた決定的なシーンとして、同メディアが指摘したのがベルギー代表とセネガル代表の一戦だ。

 延長戦の終盤、ティーレマンスとセネガル代表のラミン・カマラがボールに寄せて激しく交錯。主審は自然な接触と判断したが、ここでVARの介入によって8分間もの長い中断が生じた。最終的にPKが与えられ、これをティーレマンスが決めてベルギーが勝利を収めた一方、セネガルは無念の敗退に追い込まれた。

 同メディアはこのペナルティーエリア内での交錯について、「どちらもボールにプレーしなかったが、どちらも反則を犯していなかった。主審はリアルタイムで正確に読み取っていた」と、ピッチ上のレフェリーの最初の判断を高く評価している。

 そのうえで、勝敗を決定づけたVARの介入について「文脈が削ぎ落とされたスローモーションで見た場合にのみ、誰もがファウルと見なすだろう」と厳しく指摘。試合のスピード感や両者の勢いが伝わらない映像の切り取りによって、本来ファウルではないプレーに対して誤った判定が下されたと伝えている。

テクノロジーの介入が、かえってピッチ上の真実を歪めてしまったのではないか。大会終了後も、この劇的かつ残酷な幕切れはVAR運用のあり方を問う象徴的な事象として議論されている。

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