新生ドルトムントで香川の立場とは? クロップ時代のゲーゲンプレス復活はプラス要素

ボス新監督は2試合続けて4-3-3システムを採用 中盤は3人が流動的に動く

 日本代表MF香川真司にとってドルトムントで6季目となるシーズンがスタートした。左肩の負傷で出遅れ、マイナスからのスタートとなる香川には今季も激しすぎるポジション争いが待っている。ペーター・ボス監督の起用法を踏まえて、香川の置かれた状況を整理してみよう。

 ドイツ4部のRWエッセン、浦和との2試合でボス監督はいずれもスタートから4-3-3システムを採用。浦和戦の後半には3-4-2-1システムを試している。選手の移籍などいまだ不確定要素は多いが、新監督の目指す方向性が少しずつ見え始めている。

 浦和戦での中盤3人の構成はヌリ・シャヒン、セバスティアン・ローデ、ゴンサロ・カストロ。トーマス・トゥヘル前監督は3人のセンターハーフをアンカーと攻撃的MF2人の逆三角形で配置し、アンカーポジション(主にユリアン・ヴァイグル)の選手は最終ラインの前にどっしりと構え、時には後方まで下がってゲームを組み立てた。

 それに対して、ボス監督の下では3人がより流動的に動いていた。パス捌きに定評あるシャヒンはアンカーの位置でスタートしたものの、あまり後ろには下がらず、積極的に前へ出ていくプレーを見せた。これは昨季までのチームではあまり見られなかった光景で、ボス監督になって変わった部分と言える。また、ユルゲン・クロップ監督時代に威力を発揮した“ゲーゲンプレス”も復活し、当時を知る香川にとってはプラスの要素となるかもしれない。

 選手を入れ替えた浦和戦の後半は3-4-2-1システムとなった。ボス監督はアヤックス時代から3バックシステムも取り入れている。この場合、香川はストライカーの背後に構える攻撃的MFとしての起用が予想され、ボス監督も評価するオフェンス能力を発揮するには最適なポジションとなる。

 

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