W杯の英ア決戦にFBI厳戒態勢「最高リスク」 政治と絡み合う歴史的因縁「フーリガンが向かっている」

W杯準決勝でイングランドとアルゼンチンが対戦する【写真:ロイター】
W杯準決勝でイングランドとアルゼンチンが対戦する【写真:ロイター】

米アトランタでの準決勝を前に懸念高まる

 現地時間7月15日に行われるFIFA北中米ワールドカップ(W杯)準決勝で対戦するイングランド代表とアルゼンチン代表の一戦を前に、開催国アメリカで厳戒態勢が敷かれている。英紙「デイリー・メール」は現地時間7月14日、米連邦捜査局(FBI)がこの試合を今大会の「最高リスク」に分類したことを報じた。

 記事によると、対戦が決まって以降、アトランタには数千人のファンが押し寄せており、チケットの再販価格は最大3700ドル(約58万円)に高騰しているという。先週マイアミで行われたイングランド代表の試合で一部のファン同士の衝突が起きたことを受け、FBIと地元警察はスタジアム内外での警備を大幅に強化。6万8000人を収容するアトランタ・スタジアムでは、両国のサポーターの入場ゲートを分ける措置が取られているほか、市内のバーも国ごとに指定してファン同士の接触を避ける試みが行われている。

 この両国の対戦は、サッカー界で最も火種を抱えるライバル関係として知られている。同紙は「フォークランド紛争の影がこの一戦に重くのしかかっている」と描写。1986年W杯でのディエゴ・マラドーナ氏による「神の手」ゴールや、1998年W杯でのデイビッド・ベッカム氏の退場劇といった歴史的背景にも言及。さらに、アルゼンチン代表の選手たちがフォークランド諸島(アルゼンチン名・マルビナス諸島)やマラドーナ氏、リオネル・メッシの最後のW杯に関するチャントを歌ったことが、歴史的な対立を再び呼び起こしたと伝えている。

 緊張感を高めている要因として、「ウルトラス」と呼ばれるアルゼンチンの過激なフーリガンたちがアメリカへ向かっているとの懸念も報じられている。ブエノスアイレス、コルドバ、メンドーサといった都市の無法地帯からトラブルメーカーが押し寄せる情報があり、スタジアムの警備員には、フォークランド諸島をアルゼンチン領と主張する旗を没収するよう指示が出されているという。政治とサッカーの歴史が複雑に絡み合う因縁の対決。ピッチ内外で不測の事態が危惧されるなか、FBIも警戒を強めている。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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