英監督の侮辱発言に大炎上「決して野獣ではなくね」 渦巻くアルゼンチンとの因縁…前代未聞の警察出動も

イングランドとアルゼンチンがW杯で6度目の対決
FIFA北中米ワールドカップ(W杯)準決勝という極限の舞台で、世界のサッカーファンが熱狂するカードが実現した。イングランド対アルゼンチン。過去5戦してイングランドの2勝に対し、アルゼンチンが3勝で一歩リード。両国の対戦は、単なる強豪国同士の激突という枠を完全に超え、因縁で渦巻く物語で彩られている。
両者がW杯の舞台で初めて顔を合わせたのは、1962年のチリ大会。この時はグループリーグで激突し、イングランドが3-1で勝利を収めた。この時点ではまだ、世界のどこにでもある「強豪国同士の真剣勝負」の一つに過ぎなかった。
しかし、その4年後。サッカーの母国で開催された1966年イングランド大会の準々決勝で、両国の運命は大きく狂い始める。聖地ウェンブリー・スタジアムで行われた一戦は、序盤から激しいタックルと小競り合いが飛び交う殺伐とした肉弾戦となった。そして前半35分、サッカー史に永遠に刻まれるスキャンダルが起きる。
ドイツ人のルドルフ・クライトライン主審が、アルゼンチンの主将MFアントニオ・ラティンに対して突如レッドカードを提示したのだ。理由は「言葉による暴力」。しかし、主審はスペイン語を理解できず、ラティンもドイツ語を話せない。
「言葉も通じないのになぜ暴言だと分かるのか」。到底納得できないラティンは、通訳を要求してピッチに座り込み、なんと約10分間にわたって退場を拒否するという前代未聞の事態へと発展した。
警察官までピッチに出動する大騒動の末、ようやく観念して歩き出したラティン。しかし、怒り収まらぬ彼はピッチを去る際、あろうことか英国王室のために敷かれていたレッドカーペットに座り込み、さらにはコーナーフラッグ(当時は英国旗がデザインされていた)を強く握りしめ、絞るような仕草を見せてイングランドを非難した。
試合はその後、FWジェフ・ハーストの決勝ゴールでイングランドが1-0と勝利したが、本当の「因縁」が生まれたのは試合直後だった。
イングランドのアルフ・ラムゼイ監督は、健闘を称え合ってユニフォーム交換をしようとした自軍の選手を強引に引き剥がして制止。そして、直後のテレビインタビューでアルゼンチンの選手たちをこう吐き捨てたのだ。
「我々はフットボールをするチームと対戦したかった。決して“野獣(Animals)”ではなくね」
サッカーの母国の指揮官から投げつけられたこの言葉は、アルゼンチン国民のプライドを深く傷つけた。この日芽生えた激しい憎悪が、20年後のメキシコの太陽の下で、あの“神の子”を復讐の鬼へと変えることになる。
(FOOTBALL ZONE編集部)






















