予想が外れた「いつか入るだろう」 支配率もパス本数も完敗…ブラジル敗退の「波乱」

北中米W杯敗退が決まったブラジル代表【写真:ロイター】
北中米W杯敗退が決まったブラジル代表【写真:ロイター】

2002年以来優勝がないとはいえ、ベスト8を外さないのが王国ブラジルだった

 王国が敗れた。ブラジル代表がノルウェー代表に1-2。GKエルヤン・ニランに止められ、FWアーリング・ハーランドに決められた。最多5回優勝の「ワールドカップ(W杯)の顔」がまさかの敗退。ブラジルがいない大会に寂しい気持ちを覚えるのは自分だけだろうか。

【PR】ABEMA de DAZN 学割キャンペーン、最初の3ヶ月・月額980円で国内外の世界最高峰サッカーコンテンツが視聴可能に!

 正直、負けるとは思わなかった。過去1998年フランス大会で敗れているとはいえ、このときグループステージ。敗れても1位突破が決まっているブラジルにとっては「消化試合」だった。ハーランドは危険だが、今大会のブラジルはDF陣も強力。前半PKを外しても「いつか入るだろう」と思っていた。

 フランスやアルゼンチンに比べ、今大会のブラジルは評価が低かった。ただ、こういうときは強い。1994年大会、守備的(現実的?)なスタイルが不評で、あのペレでさえ「ブラジルはない」と話していたが、しぶとく勝ち上がって優勝。それ以来のアメリカ開催で、再び歓喜のシーンを期待していた。

 ベスト16での敗退も、想像できなかった。1990年イタリア大会の決勝トーナメント1回戦以来。このときはアルゼンチン相手にワンサイドゲームを展開しながら、MFディエゴ・マラドーナの魔術のようなアシストで敗れる衝撃の試合だった。その前のベスト16は、1934年大会での1回戦敗退。2002年以来優勝がないとはいえ、ベスト8を外さないのが王国ブラジルだったのに。

 ショックだったのは、偶発的な負けではなかったこと。カルロ・アンチェロッティ監督は「70分はゲームを支配した」とコメントしたし、惜しいシーンはあった。ただ、内容的には完敗。ボール支配率もパス本数もノルウェーに圧倒された。カウンターが武器だったとはいえ、どこが相手でも圧倒的にボールを支配するブラジルが見たかった。

「波乱」といえば、今大会初の「波乱」かもしれない。大会前のFIFAランクでみれば、グループステージ12組中11組は最上位チームが1位突破。決勝トーナメントでも、前日までの18試合で上位チームは15勝3分けと負けていない。ドイツ(10位)がパラグアイ(40位)に、オーストラリア(27位)がエジプト(29位)に2回戦進出を阻まれたが、いずれもPK戦だった。

 リオネル・メッシ、キリアン・エムバペ、ハーランド……、今大会は絶対的なエースがゴールを重ね、チームを勝たせている。エースが万全な状態で大会に臨み、それを他の選手たちが高いレベルで支えているチームが強い。移動距離の長さに暑さ、48か国参加にともなう試合数増加、環境も厳しいからこそ現実的で分かりやすい戦い方ができるチームが好調なのかもしれない。

 逆に、柱となるエースが不在、または怪我などで万全なコンディションでないチームは苦戦している。ブラジルはPKを任せられなかったFWヴィニシウス・ジュニオールがエースになり切れず、FWネイマールもコンディション不良。勝ち進むには厳しかった。

 優勝5回のブラジルが敗退し、同4回のドイツもすでに大会を去った。同じく4回のイタリアは、大会に来ることさえできなかった。残る優勝経験国はアルゼンチン、フランス、イングランド、スペインだけ。「波乱」がなければフランスとアルゼンチンの決勝か、それとも新しい王者が誕生するのか。まだまだ大会は楽しめそうだ。

(FOOTBALL ZONE編集部)



page 1/1

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング