福島で響いた「親方!」の声 59歳カズが「プロ41年で初めて」の体験…示した感謝「愛着を持って」

立てた柱を見上げる福島FWカズ(左)【写真:荻島弘一】
立てた柱を見上げる福島FWカズ(左)【写真:荻島弘一】

J3福島が進める「みんなでつくるスタジアム」プロジェクトの一環

 カズが「親方」になった。J3福島ユナイテッドFCの選手たちが7月3日、福島市内での練習後、クラブハウス隣に新設するロッカールーム・ケアルームの「建て方工事」を体験した。小雨の中、骨格を組み立てる作業に、59歳のカズ・三浦知良もヘルメット姿で若手とともに参加。「プロ41年で初めて」と貴重な経験を楽しんだ。

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 柱を立てた後、梁(はり)を渡す工程に入ると、チームメートから「カズさん!」の掛け声に応えるように59歳は安全帯をつけて足場を上った。柱の上に梁を合わせ、思い切りハンマーで叩く。その姿に、下から「親方!」の声もとんだ。

 クラブは計画中の世界初の循環型木造スタジアム実現に向けて地域参加型の「みんなでつくるスタジアム」プロジェクトを進めている。今回の「体験」はその一環。クラブの鈴木勇人社長は「木造スタジアム建設、J2昇格に向けて、機運を高めていきたい」と話した。

 カズは「自分で使う施設の組み立てに参加することで、愛着を持って大事に使っていくと思う。作業はとても楽しかったけれど、これを仕事としてやっていくのは大変なことだと感じました」と、関わる人たちへ感謝を込めて話した。

 実は、カズは「職人」が大好き。飲食や建築など「1つのことを突き詰めて、物を作り続けるのはすごいこと」と話したこともある。「サッカー職人」として今も現役を続ける理由の1つには、職人への強いリスペクトがあるのかもしれない。

 ロッカールーム・ケアルームは今後下部組織の選手らも塗装工事、内装工事に参加して7月末に完成予定。悲願のJ2昇格に向けて選手をサポートする。

(荻島弘一/ Hirokazu Ogishima)



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荻島弘一

おぎしま・ひろかず/1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者として五輪競技を担当。サッカーは日本リーグ時代からJリーグ発足、日本代表などを取材する。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰。20年に同新聞社を退社。

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