日本敗退も熱を帯びるW杯優勝争い 盤石の「大本命」フランス…メッシ擁するアルゼンチン、欧州スペインが追う展開

北中米W杯の戦いもいよいよ佳境に突入
FIFA北中米ワールドカップ(W杯)はラウンド32が終了し、ベスト16が出そろった。前回大会3位のクロアチア、優勝経験国のドイツ、オランダといった強豪が次々に姿を消し、優勝争いの構図も徐々に鮮明になってきた。
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最も優勝に近い存在は、やはりフランスだ。ラウンド32ではスウェーデンを3-0で一蹴。攻守ともに危なげのない内容で、今大会ここまで最も完成度の高い戦いを続けている。最大の武器は何と言っても爆発的な攻撃力だ。ラウンド16でもパラグアイを破って8強入り。エースのキリアン・エムバペは7得点と得点王争いを演じており、ウスマヌ・デンベレが4得点で続く。
2列目から彼らの決定力をアシストするミカエル・オリーズも危険な存在だ。個の能力だけではなく、ディディエ・デシャン監督の試合運びや選手起用にも隙が見当たらず、守備の安定感も高い。優勝候補というより「大本命」と呼ぶにふさわしい存在と言えるだろう。
そのフランスを追う「対抗」の一番手が、連覇を狙うアルゼンチンだ。ラウンド32では初出場のカーボベルデに2度リードを追い付かれ、延長戦までもつれ込む3-2の辛勝。かなり厳しい戦いで、疲労も少なからずあるだろう。しかし、苦しみながらも最後は勝ち切る勝負強さこそ、このチーム最大の魅力でもある。
リオネル・メッシは大会トップの7得点を挙げ、勝負どころで必ず結果を残している。カーボベルデ戦では相手の完成度の高さにも苦しめられたが、それでも勝ち上がった経験は今後に生きるはずだ。ベスト16のエジプトも決して侮れないが、優勝候補との対戦はベスト4まで避けられる。準決勝でブラジルとの南米決戦が待つ可能性もあるが、連覇への道筋は十分に描ける状況だ。
「有力」の筆頭は欧州王者スペイン。グループステージではやや苦戦する場面もあったが、ラウンド32ではオーストリアを3-0で圧倒。守護神ウナイ・シモンを中心とした守備は今大会も安定しており、19歳のパウ・クバルシは4試合連続フル出場で最終ラインの柱となるだけでなく、攻撃の起点としても存在感を放っている。
攻撃陣も充実してきた。ラミン・ヤマルは徐々に本来の輝きを取り戻し、代表ではミケル・オヤルサバルが高い決定力を発揮。さらにコンディションが万全ではないニコ・ウィリアムズに代わってアレックス・バエナという新たな武器も生まれている。ベスト16ではクリスティアーノ・ロナウドを擁するポルトガルとの「イベリア半島ダービー」。今大会屈指の好カードだが、この難関を突破できれば、一気に優勝候補としての存在感を高めることになるだろう。
その3か国に続くのがイングランド、ブラジル、ポルトガルだ。イングランドはラウンド32でコンゴ民主強化国に大苦戦しながらも、最後はハリー・ケインの勝負強さで突破した。ただ、次戦は開催国メキシコとの対戦。しかも標高約2200メートルのメキシコシティという特殊な環境で、中3日で戦わなければならない。高地対策として早めに現地入りしているとはいえ、開催国の大声援も加わるこの一戦は極めて難しい戦いになる。
ブラジルは日本を2-1で下し、順当にベスト16入り。ヴィニシウス・ジュニオールを軸とした攻撃力は依然として世界屈指で、カルロ・アンチェロッティ監督の采配にも安定感がある。しかし、現時点での総合力はフランス、アルゼンチン、スペインの3か国に比べると一歩譲る印象は否めない。ここから優勝まで駆け上がるには、攻守両面でさらなる上積みが求められる。それはラウンド16で前回3位のクロアチアに勝利したポルトガルにも言える。
「ダークホース」として注目したいのは開催国のアメリカとメキシコだ。特にアメリカはここまで全試合をホームで戦えるという地の利があり、勢いに乗れば一気に上位進出も十分あり得る。一方のメキシコはイングランド戦を本拠地メキシコシティで戦えるアドバンテージが大きい。難攻不落とも言われる高地で開催国の後押しを受けられることは、単なるホームゲーム以上の意味を持つ。この一戦を突破すれば、自国開催の勢いを背に優勝争いへ食い込んでくる可能性もある。
さらに「大穴」として挙げたいのはノルウェー、コロンビア、モロッコだ。ノルウェーはアーリング・ハーランドという世界最高峰のストライカーを擁し、彼に点を取らせるビジョンを共有している。次はブラジルだが、どの相手にとっても危険だろう。コロンビアはネストル・ロレンソ監督が攻守のバランスが非常によく構築しており、ルイス・ディアス・ジョン・コルドバ、ハメス・ロドリゲスのアタッカー陣も連携が良い。
前回4位のモロッコも侮れない。相手や試合展開に応じてポゼッションとカウンターを使い分ける柔軟性は今大会屈指であり、3得点のイスマエル・サイバリも好調を維持している。カナダを破ってベスト8へ進出したが、待ち受けるのはフランス。勝ち上がりの難易度は決して低くない。
ベスト16から先は紙一重の差で勝敗が分かれる。それでも現時点で最も優勝に近いのは盤石の戦いを続けるフランス。そこにメッシ擁するアルゼンチン、完成度を高めるスペインという構図だろう。そこにイングランド、ブラジル、ポルトガルのポット1勢、あるいは開催国勢やダークホースが波乱を起こすのか。日本はラウンド32で敗退してしまったが、大会全体はここからヒートアップしていくはずだ。
(FOOTBALL ZONE編集部)


















