「無罰」で勝利→試合後に「厳罰」 W杯史に残る“悪童”の異常な行為…狂気の「歯型」

死闘の最中のまさか イタリア選手の肩にクッキリと残っていた証拠
1930年の創設から、これまで数々のドラマや信じがたいハプニングを生み出してきたFIFAワールドカップ(W杯)。4年に一度、国の威信を懸けて激突する祭典で起きた衝撃の出来事を振り返る「W杯事件簿」の今回は、2014年ブラジル大会でウルグアイ代表のエースが見せた、サッカーの試合中とは到底思えない前代未聞の「噛みつき事件」を振り返る。
事件の舞台となったのは、グループリーグ突破を懸けたグループD最終戦の大一番、イタリア対ウルグアイの一戦だった。
0-0という緊迫したスコアのまま迎えた後半35分、イタリアのペナルティーエリア内でポジション争いをしていたウルグアイ代表FWルイス・スアレスが、突如として信じられない行動に出る。なんと、マークについていたイタリア代表DFジョルジョ・キエリーニの左肩にガブリと噛みついたのだ。
痛みと驚きでピッチに倒れ込んだキエリーニは、ユニフォームの襟をはだけさせ、主審に向かって肩にクッキリと残った“歯型”を猛アピール。しかし、決定的な瞬間を見逃していた主審はファウルを取らず、スアレスにはレッドカードどころかイエローカードすら提示されなかった。
皮肉なことに、試合はこの直後にウルグアイが劇的な決勝ゴールを奪い、1-0で勝利。イタリアを蹴落とし、グループ2位で決勝トーナメント進出を決める結末となった。
しかし、世界中に中継されたこの異常な行為を、国際サッカー連盟(FIFA)が見逃すはずがなかった。試合後、すぐに映像などから調査に乗り出したFIFAは、スアレスが過去に所属クラブでも同様の「噛みつき」を繰り返していた“前科”を重視。スアレスに対して「9試合の出場停止と、4か月間のあらゆるフットボール活動禁止」という極めて重い厳罰を通告した。
この瞬間、エース・スアレスのブラジルW杯は“強制終了”。大黒柱を不祥事で失ったウルグアイ代表も、続く決勝トーナメント1回戦でコロンビアに0-2で敗北を喫し、ベスト16で大会を去ることになった。
勝負への執念が完全に裏目に出た“悪童”の狂気。W杯という世界最大の舞台で起きたこの一件は、サッカー史に残る最も奇妙で、お騒がせな事件として今も語り草となっている。















