森保Jの「緊張感はあまりなかった」 英記者指摘も…見つけた“収穫”「選手層の厚さを示した」

日本はアイスランドに1-0勝利、マイケル・チャーチ氏が総括
日本代表は5月31日、北中米共催ワールドカップ(W杯)に向けた壮行試合となるアイスランド代表戦を戦い、1-0で勝利した。かつてアジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ(W杯)を7大会連続で現地取材中の英国人記者マイケル・チャーチ氏が、この試合を総括した。
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これは引退試合だったのか? それとも単なる親善試合だったのか。森保一監督率いる日本代表にとって、ワールドカップ(W杯)前の最後の試合は吉田麻也への遅ればせながらの別れの場となり、勝負としての緊張感はあまり感じられなかった。
ローテンポの中で試合が進み、目立ったタックルや競り合いもなく、シーズン終盤の消化試合のような雰囲気だった。11人の選手交代も、これが練習試合以上のものではないという印象を強めた。
吉田がホームサポーターに別れを告げるのを待ち望んでいたことは確かだろう。37歳のDFは2022年のカタールW杯から約4年を経て、おそらくこれが最後になるであろうサムライブルーのユニフォームに袖を通した。
日本サッカーにこれほど長く貢献してきた選手が「さよなら」を告げる機会をこれほど待たなければならなかったというのは奇妙なことだ。ファンも待ち望んでいたはずだ。
それゆえに、前半14分のガード・オブ・オナーは吉田にふさわしいものだった。彼は日本代表としてほぼすべてのことを成し遂げた。アジアカップで優勝し、数多くの国際大会に出場した。日本の素晴らしいアンバサダーであり続けた。
もちろん彼はこの夏に3度目のW杯出場を果たすことはなく、日本代表として北アメリカへ向かうのは他の選手たちだ。この試合は日本を旅立つ前に最後のアピールとなる絶好の機会だった。うまくいったとはいい難いが、それでもいくつかの収穫はあった。
久保建英は試合開始直後からピッチで躍動した。ピッチを縦横無尽に駆け回り、右シャドーのポジションから深い位置まで下がってボールを受けることも厭わなかった。
久保は左サイドにまで顔を出し、逆サイドの中村敬斗ともいい連携を見せた。中村が味方との巧みなパスワークからゴールに迫った場面もまさにそのような展開から生まれたものだった。
三笘薫や南野拓実が負傷でW杯欠場が決まった今、クリエイティビティーの担い手としての役割はこれまで以上に久保の肩にかかってくるだろう。このアイスランド戦、久保はその責任を受け入れる準備があることを示しているように見えた。
それ以外に大きな興奮をもたらすような出来事はほとんどなかったが、度重なる怪我に悩まされてきた冨安健洋の復帰は歓迎すべきことで、最終ラインの準備が整ってきたことは大きなプラス材料といえるだろう。
何人もの選手交代が行われ、試合の流れは断片的となった。そんなツギハギのような試合のなか、菅原由勢のクロスから小川航基が決めたゴールは象徴的なものだった。共に途中出場の選手の連携から生まれたゴールは日本の選手層の厚さを示した。
W杯初戦のオランダ戦まではもう2週間を切っている。そのなかで森保監督がこの試合から新たに得たものはそれほど多くなかっただろう。
しかし、この試合の目的はそこにあったわけではない。これから始まる本当の戦いに向け、選手全員が最高の状態に近づいていることを確認するための試合だったのだ。
(マイケル・チャーチ/Michael Church)

マイケル・チャーチ
アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。



















