新天地移籍→ベス11&得点王「みんなのおかげ」 ステップアップの”成功例”に「自分の背中を見て」

INAC神戸の吉田莉胡【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】
INAC神戸の吉田莉胡【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】

ベストイレブンと得点王に輝いたINAC神戸FW吉田莉胡

 WEリーグの2025-26シーズンの表彰式にあたる「WEリーグアウォーズ」が5月26日に東京都内で開催された。16ゴールで初のベストイレブンと得点王に輝いたFW吉田莉胡(INAC神戸レオネッサ)は「点を取ることにフォーカスして試合に臨めた」と、移籍初年度での個人タイトル獲得について話した。

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 今季に向けてINACへ移籍加入した吉田は埼玉県出身で、ちふれASエルフェン埼玉の下部組織で育ち高校生のころから二種登録されて試合に出場。2023-24シーズンにはチームキャプテンと背番号「10」を背負う重責を担い、チームの顔としてプレーしてきた。WEリーグ開幕から4シーズン、フル稼働を続けて通算19ゴール。ただし、そのプレースタイルはチャンスメーカーになる部分もあり、ドリブルからのシュートも少なくなかった。

 その中で今季の吉田はINACの3トップで主に中央を務め、MF成宮唯ら攻撃陣からのラストパスをゴールに押し込む得点感覚を発揮した。自身も「INACに来て、よりFWとして、フィニッシャーとしての仕事を監督からも求められるようになって、この1年一番成長したなって思うのは得点力のところ。大きく、ゴールへの意識が自分自身変わったかなって思っています。ワンタッチシュートがほとんどのゴールくらいに多いって今日言われたんですけど、それはたぶん、みんなが決めるだけのパスを出してくれるからこそだと思います」と話す。

 そしてメンタル面においても「自分がチームをどうにかしなきゃっていう、いい意味なのか分からないですけど、そういう重圧は今シーズンあんまりなくプレーできたと思います。点を取ることにフォーカスして試合に臨めているというか、他には各ポジション素晴らしい選手が揃ってるチームなんで、自分はそこだけに集中してやり続けられた。みんなのおかげで、(個人賞が)取れたと思います」と、移籍によっての変化があったことを話した。

 人生で初めて関西圏でプレーする経験は「戸惑いましたね。めちゃめちゃなんかもう、会話のテンポが速いんですよ。で、置いていかれる。違うなって思いました。もう、慣れましたけど」と笑った。好物だというたこ焼きの専門店が自宅近くにあることを「めっちゃ嬉しいポイント」と話したが、様々な意味で移籍のポジティブな部分が出たシーズンだったと言えるだろう。

 男子のJリーグでは、中位から下位のクラブから上位クラブへ移籍していくケースは珍しくなくなった。WEリーグでも、このようなステップアップ移籍と言えるキャリアは増えていくだろう。その成功例を作った1人と言える吉田は、育ったエルフェンの下部組織の後輩に対して「自分の背中を見て、今のアカデミーの選手とかも、やり続けたらこうなれるっていう風に思ってもらえたら」と、エールも送る。

 シーズン前には東アジアカップの日本代表に選出され、シーズン中には海外組を含めたなでしこジャパンにも選出された。さらなるステップアップも期待されるストライカーは「また呼ばれるためにも、リーグで数字とか結果を出し続けることがきっかけになると思うので、やり続けたらチャンスは来るんじゃないかって信じてやり続けようと思ってます」と、さらなる成長を誓っていた。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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