身長186cmも「なぜうまく守れないのか」 トップ昇格で苦悩…浦和18歳が学んだ解決策

田中義峯「昨年の僕は、周りを巻き込む守備が足りなかった」
4月4日に開幕した高円宮杯プレミアリーグと全国7地域のプリンスリーグ。ここではリーグ戦で活躍を見せた選手を紹介していきたい。今回はプリンスリーグ関東1部・第7節の帝京高校vs浦和レッズユースの試合から。帝京のリズムカルなボール回しに対し、常に目を光らせて周りを動かし、自らも1対1の守備や身体を張ったディフェンスを駆使して1-0の勝利に貢献したCB田中義峯について。すでにトップ昇格が内定し、「よっちゃん」の愛称で親しみと信頼を得ているCBがトップで学んだものとは。
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186cm、85kg。恵まれたサイズを武器に、対人プレーと強烈なキックが売りのCBは、今年の1月にプロ契約を結んでトップ昇格を手にした。現在はトップチームで練習し、試合前日にユースに戻って、プリンスリーグ関東1部に出場するという日々を送っている。
「人工芝と天然芝の違いで戸惑うことはありますが、トップでプロの高い基準を学んで、ユースの試合で実戦感覚を積めているので、ポジティブに捉えています」
トップで学んだことをユースで活かす。そのために田中はまず積極性を発揮することを大切にしている。
「トップで感じたのは、『自分のエリアだけ守っていればいい』というわけではダメで、常に周りと繋がりながら、自分から積極的に声を出してやっていかないといけないということです」
このことを一番教えてくれたのは、トップでCBを務めるDF宮本優太だ。171cmと小柄な宮本のメインポジションはボランチやサイドバックだが、卓越した守備スキルを武器に、CBとして高いパフォーマンスを見せている。田中はトップチームに参加してみて、宮本が起用されている理由にすぐに気付いたという。
「優太さんの凄さは『味方を巻き込むような守備』ができること。リーダーシップもそうですが、周りとの距離感が素晴らしいんです。自分がやりたいことをきちんと味方に伝えて、それが出来るポジショニングや身体の向きを作って、守りやすいように周りをコントロールしながら守備をしている。そこはかなり参考にしています」
この気づきが、昨年自分が苦しんでいた原因をはっきりと言語化してくれた。昨年、田中は守備の中心としてプレミアリーグEASTを戦ったが、チームは低迷。結果、プリンス関東降格の憂き目にあった。
「ずっと『なぜうまく守れないのか』を考えていました。でも、なかなか理由が見出せなかった。でも、トップで優太さんを見て、昨年の僕は周りを巻き込む守備が足りなかったということが分かったんです。だからこそ、今はそれを磨いていますし、優太さんから見て学ぶようにしています」
帝京戦では前半20分に左CKから自らの頭で先制点を叩き込むと、攻勢に出る相手に対して、GKマルコムアレックス恵太と共に的確なコーチングだけでなく、自らが出るところははっきりと主張。声で守備を統率し、カバーリングや対人を発揮して、1-0のクリーンシートでの勝利に貢献した。
「ユースの試合で積極性を出すことはチームの勝利もですし、トップで練習する自分にとってもプラスだと思っています。優太さん以外にも石原(広教)さんの間合いの詰め方を参考にしていて、相手がボールを離した瞬間に行くことは真似をしています。FWではオナイウ阿道さんは常に自分の逆をとってくるので、めちゃくちゃやりづらいです。本当に学ぶことばかりなので、これからトップ出場を目指してしっかりと取り組んでいきたいと思います」
先輩たちのいいところを盗みながら、自分の武器にプラスアルファとなるものを模索していく。田中が目指しているのは、「なんでもできるCB」だ。
「日本代表で言えば、鈴木淳之介選手は奪えるし、連携できるし、攻撃に繋げるパスも出せる。予測と準備で相手を圧倒するところが大好きなので、鈴木選手のようなスケールの大きな選手になっていきたいです」
ユースでの信頼の厚さをトップでも発揮し、目指すは浦和のDFリーダー。田中は貪欲に学ぶ力という最大の武器を発揮し続けて、さらなるスケールアップを遂げていく。
(安藤隆人 / Takahito Ando)
安藤隆人
あんどう・たかひと/岐阜県出身。大学卒業後、5年半の銀行員生活を経て、フリーサッカージャーナリストに。育成年代を大学1年から全国各地に足を伸ばして取材活動をスタートし、これまで本田圭佑、岡崎慎司、香川真司、南野拓実、中村敬斗など、往年の日本代表の中心メンバーを中学、高校時代から密着取材。著書は『走り続ける才能達 彼らと僕のサッカー人生』(実業之日本社)、早川史哉の半生を描いた『そして歩き出す サッカーと白血病と僕の日常』、カタールW杯のドキュメンタリー『ドーハの歓喜』、新刊は『ともに歩き出す サッカーと家族と新しい日常』(ともに徳間書店)。講演家としても全国を回っている。元・名城大学体育会蹴球部フットボールダイレクター(2022年〜2026年4月)、現・國學院大學体育連合会蹴球部コーチ。















