W杯3か月前の悲劇…乗り越えた壮絶リハビリ 「間に合う」遠藤航、3度目切符の舞台裏

2月に左足の手術を受けた
森保一監督率いる日本代表は5月15日、東京都内で北中米ワールドカップ(W杯)に臨むメンバー26人を発表した。2月に左足のリスフラン靭帯断裂で手術を受けた主将のMF遠藤航(リバプール)は3大会連続でW杯切符を獲得。森保監督も「キャプテンとしてチームを鼓舞し支え続けてくれているチームの中心」と欠かせないピースだと説明した。2023年6月に主将を託され、約3年。指揮官と築き上げた絆を北中米の舞台で示す。
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「復帰プランは明確なものがある。プレーはもちろん、私が北中米W杯に向けてのキャプテンに指名して、チームを鼓舞して支え続けてくれている中心的な存在。プレーできるというのは計算の上だけど、精神的にもチームを支えてくれるということで期待している」
270人以上の記者が駆けつけた会見場、多くのフラッシュライトを浴びて森保監督が口を開いた。遠藤は2月11日のプレミアリーグ第26節サンダーランド戦で今季リーグ初先発。だが、試合中に左足を負傷し後半24分に交代を強いられた。左足の甲をつなぐリスフラン靭帯が断裂し、緊急帰国。手術を受けた。イギリスのドクターがプレートで補強する方法を提案してきたなか、日本代表のドクターは人工靭帯を入れる方法を提案。選択が迫られるなかでW杯を見据えて人工靭帯を入れる手術を決断した。ビッグクラブのリバプールも大切な選手のW杯出場を後押しする形で遠藤の意向を尊重した。
リハビリのスケジュールはタイトだった。プレートを入れた場合は全治6か月。だが、人工靭帯の選択を取り、壮絶なリハビリもドクターが驚くほどの回復力で消化した。森保監督も「ボールも触りながらデータから試合に出るのに必要なところまでコンディションを上げられている。これからプレミアリーグの終盤と(5月31日の)アイスランド戦と準備期間でプレーできる、コンディションを上げていけるとメディカルが確認した」と説明した。
思えば前回のカタールW杯も直前に脳震盪の診断を受け、初戦のドイツ戦まで間に合うかギリギリだった。W杯前の試練。サンダーランド戦での受傷後、すぐにスマホで映像を確認したという。「間に合う」——。信じて、3か月を過ごしてきた。
主将を託されたのが3年前。23年3月から始動した森保ジャパン第2期で、最初の活動ではキャプテンは決まらなかった。「悩んでいるんだろうな」。遠藤も感じていたなかで迎えた6月の活動。夢フィールドのグラウンドで森保監督のもとへ挨拶にいくと「キャプテンにしようと思う」と告げられた。その時伝えたのは「キャプテンだからと言って毎試合俺のことを使わなくていい」。それはチーム全員にキャプテンシーを持って欲しいと指揮官が望んでいると感じ取ったから。自分が引っ張らないわけではない。カタールW杯の悔しさを晴らすには、強烈なキャプテンシーを全員が持つことが必要だった。
その姿勢を3年間貫いたからこそ、指揮官が会見場で話した「精神的にもチームを支えてくれる」という信頼につながった。怪我明けでも、出場時間が短くても遠藤にとっては関係ない。ピッチ上で100パーセントを発揮できるよう何度も何度も準備してきた。リバプールというビッグクラブに33歳で在籍していることが何よりの証拠。北中米の舞台では100パーセントを出し切れる。だからこそ、森保監督も「計算」できた。
最高の景色を——。不屈の精神で這い上がったキャプテン。日本サッカーの歴史を塗り替えるための航海へと、再び舵を切る。
(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)
















