トップ昇格の“元同僚”は「凄まじかった」 ようやくつかんだ不動の座「スピードこそ最大の武器」

帝京長岡3年FW岡中舜「本当に悔しかった」
4月4日に開幕した高円宮杯プレミアリーグと全国9地域のプリンスリーグ。ここではリーグ戦で躍動を見せた選手を紹介していきたい。
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今回はプレミアEAST第2節・帝京長岡vs鹿島アントラーズユースから。2-4の敗戦を喫した帝京長岡だが、先制ゴールをマークしたFW岡中舜はチームメイト、相手にもいた中学時代の仲間の姿に奮起をし続けてきた。ただの1試合ではない、特別な思いをプレーで表現した男の成長物語。
「俺もいるぞ」
縦へのスピードと変幻自在の左足を持つ岡中は、中学時代はフレスカ神戸ジュニアユースでプレーし、そこから帝京長岡にやってきた。その際、彼は1人ではなかった。1年生からレギュラーの座を掴み、昨年から伝統のエースナンバー14を背負うMF和食陽向と一緒に進学したのだった。
「ワジ(和食)はもう小学生の時から知っていて、小2で初めて対戦をしたし、サッカースクールが一緒で、もう幼馴染みに近いんです。中学1年生の時にフレスカでツートップを組んで、ずっと一緒にやってきた。帝京長岡で全国に出ようとやってきたのですが、入寮したらいきなりワジがトップチームに入って、レギュラーになった。でも、僕はずっと下のカテゴリーでやっていて、一気に差をつけられた。本当に悔しかったんです」
2年生になると、今度はフレスカでツートップを組んでいた1学年下のFW児山雅稀が2人の後を追いかけて入学し、和食同様に入寮と同時にトップチームに入り、一気にエースストライカーとなった。
「僕が一緒にやっていた時は、まだ年代別日本代表に入っていなくて、僕らが高1になってから初めて代表に入って、そこから一気に成長した印象でした。実際に入ってきて、フィジカルは強いし、スピードもあるし、中学時代とは見違えるほど前線で収められる選手になっていて驚きました」
岡中も2年生でトップチームに昇格した。プレミアWESTでは11試合に出場し、2ゴールをマークするなど頭角を現した。しかし、プレミアでは2試合にスタメン出場をした以外は、全て途中出場で出場時間も299分に留まった。
選手権ではメンバー入りを果たし、1回戦の大社戦、準々決勝の尚志戦でベンチ入りをするも、出場機会は巡ってこなかった。
和食や児山が絶対的な主軸として活躍している一方で、彼は古沢徹監督の信頼を掴むことが出来なかった。だが、彼は野心を燃やし続けることが出来た。それは他ならぬ彼らの存在だった。
「2人は絶対に負けたくないし、特にワジに対しては大事な仲間なのですが、個人的にはライバル心がある。同じ左利きで、ワジは僕にないものを持っているけど、僕もワジにはないものを持っている自信がある。スピードこそ僕の最大の武器だからこそ、それをもっと発揮したいと思っています」
この決意の通り、スピードある突破力と左足のシュートを磨き上げ、今年は不動のレギュラーを掴み取った。プレミアEAST開幕戦で児山と2トップを組むと、続く鹿島アントラーズユース戦でも2トップを組んだ。
前半16分にはCKからの展開から児山のパスを左足で押し込んで先制点をマーク。その後は左ウィングバックにポジションを移して、何度も左でドリブル突破からチャンスを作った。
2-4で敗れたが、この試合の対戦相手には、すでに鹿島のトップチームに昇格し、フレスカで同級生だったU-17日本代表DF元砂晏翔仁(あんとに)ウデンバがいた。
「高校に入ってマッチアップするのが初めてだったので凄く楽しみでした。雅稀へのスライディングは凄まじかったですし、やっぱりうまかった。アントニにも絶対に負けられないなと刺激をもらいました」
幼なじみと中学時代の頼しき仲間たちから今も大きな刺激を受けている岡中。ようやく掴みとったスタメンの座を守り抜くだけではなく、彼らのようにチームに欠かせない絶対的な存在になるために。これからも「俺もいるぞ」とアピールと自己研鑽を続けていく。これまで通り彼らからエネルギーをもらいながら。
(安藤隆人 / Takahito Ando)
安藤隆人
あんどう・たかひと/岐阜県出身。大学卒業後、5年半の銀行員生活を経て、フリーサッカージャーナリストに。育成年代を大学1年から全国各地に足を伸ばして取材活動をスタートし、これまで本田圭佑、岡崎慎司、香川真司、南野拓実、中村敬斗など、往年の日本代表の中心メンバーを中学、高校時代から密着取材。著書は『走り続ける才能達 彼らと僕のサッカー人生』(実業之日本社)、早川史哉の半生を描いた『そして歩き出す サッカーと白血病と僕の日常』、カタールW杯のドキュメンタリー『ドーハの歓喜』、新刊は『ともに歩き出す サッカーと家族と新しい日常』(ともに徳間書店)。講演家としても全国を回っている。





















