5度の大怪我…悲しむ愛妻に「申し訳ない」 リハビリで元日本代表との出会い「すごく近い関係に」

深井一希「たくさんの人に支えられて、自分が今ここにいられるんだなと感じて」
北海道コンサドーレ札幌のMF深井一希は、昨シーズン限りで13年間のプロ生活に終止符を打った。今年からは札幌U-18のコーチに就任し、指導者としての第一歩を踏み出した“不屈の漢”。度重なる膝の大怪我との戦いだったキャリアをインタビューで振り返る。第2回は、出会いと感謝する人について。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大/全5回の2回目)
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2013年に札幌でプロのキャリアをスタートさせた深井だったが、同年11月に左膝前十字靭帯断裂の重傷を負う。翌2014年には、復帰からわずか1か月ほどで、今度は右膝前十字靭帯断裂。U-17ワールドカップ(W杯)で活躍するなど将来を嘱望されていた若者は、いきなり怪我との戦いを強いられることになる。
「でも一番最初の前十字の手術がしんどかったですね。何も知らない状態での手術だったので。とにかく痛かったし、この怪我だけはもうしたくないなと思ったんですけどね。5回もやることになりましたね」
自身初のJ1挑戦となった2017年には左膝前十字靭帯断裂と半月板損傷、2022年には右膝前十字靭帯断裂、2023年には右膝前十字靱帯損傷、右膝内側半月板損傷、右膝軟骨損傷。「前十字靭帯の手術で言うと5回ですけど、それ以外の半月板だったりとかも色々しましたし、10回以上はしていますね」と振り返る。
「それだけ苦しいことを経験すると、普通の人が大変だな、きついなと思うのは、僕からしたら屁でもないというか。他のことにすごく活きているとは感じますね。あとは怪我するたびにたくさんの人に支えられて、自分が今ここにいられるんだなと感じて、より人を助けたいみたいな気持ちは強くなりました」
そんな“不屈の漢”が最も感謝したいと語るのは、愛妻の存在だ。「1年目のときからもうずっと一緒にいたので、全部の怪我を見てきていると思いますね」。プロ1年目の夏頃から交際をはじめ、「全十字靭帯の最初の怪我が11月でした。そこから全部見ていると思いますね」と、2人で乗り越え続けてきた。
大怪我をしたとき、「僕は意外とケロッとしているんですけど、奥さんの方がめちゃくちゃ悲しみますよね」と深井。「それを見て、僕もすごく申し訳ないなという気になっていました。自分は我慢すればいいだけなんですけど、周りの反応というか、親もそうですし伝えるほうが嫌でした」と苦笑いを見せた。
一方、苦しいリハビリ期間に新たな出会いもあった。
「3回目のときに東京でリハビリしたんですけど、清武(弘嗣)選手(大分トリニータ)も肉離れで来ていました。一緒にずっと泊まっていたので、たくさんご飯に連れて行ってもらったり。なのでキヨくんには、怪我が多くなってしまっている気持ちはわかりますし、なんとか頑張ってほしいなとは思います」
他にも長谷部誠(日本代表コーチ)、香川真司(セレッソ大阪)、森重真人(FC東京)、小川航基(NECナイメヘン)、岩渕真奈ら多くの選手たちと交流もあったという。同じ負傷で苦しんだMF宮市亮(横浜F・マリノス)とは、2023年5月24日の直接対決で同日に復帰するという巡り合わせもあり、絆を深めた。
「みんなすごく気にかけてくれて、特にキヨくんとはすごく近い関係になったかなと思います。僕が引退したときにもメッセージをくれましたし、頑張ってほしいなと思いますね。みんなが楽しみにしているプレイヤーだと思うので」
30歳という若さで、指導者としてセカンドキャリアを踏み出した深井。現役引退を発表した際には、ワンクラブでプレーした選手とは思えないほどたくさんのメッセージが届いた。普通の選手より苦しい経験をした分、そこでしか得られなかったつながりも多く、第2の人生できっと活かされていくに違いない。
(FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大 / Keita Kudo)

















