握力わずか8キロも…術後3日でリハビリ「まだ完治していない」 鈴木彩艶が過ごした4か月

昨年11月に左手骨折で長期離脱を余儀なくされた
日本代表は現地時間3月25日、スコットランド・グラスゴー近郊で、スコットランド代表戦に向けたトレーニングを実施。セリエAのパルマでプレーするGK鈴木彩艶は、怪我から復帰した思いと、同28日のスコットランド、同31日のイングランドとの2連戦に向けて意気込みを明かした。
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左手の握力が「8」まで落ちた。それが4か月前の鈴木彩艶の現実だった。
2025年11月8日、セリエAのACミラン戦で鈴木彩は、左手薬指と親指の付け根付近にある舟状骨(しゅうじょうこつ)の複雑骨折で長期離脱を余儀なくされた。
それでも、手術からわずか3日後にはトレーニングを再開し、左手が使えない状況でも「そこ以外のところは全部やっていた」と言い切る。足元の技術、右手中心のハンドリング、脳のトレーニング、目のトレーニング——。できることを一つひとつ積み上げ続けた。
「僕的には、代表というよりかはチームに早く戻ろうということを考えて、4か月という初めて経験するリハビリ期間でしたけど、常にワールドカップという目標を持ちながら、その先を見据えながらやってこれたかなと思います。この怪我を本当に自分としてはポジティブに捉えていて、 4か月間、長い間ピッチに立つことができなかったですけど、できることはたくさんありましたし、それをやってきた自負があるので、今はピッチでパフォーマンスを発揮する時間だと思います」
ただ、復帰直後となったセリエA第29節・トリノ戦では失点に絡む場面もあった。そこは、まだ怪我する前の感覚に戻り切っていないことを本人も認めている。
「まだ完治はしてないし、痛みと付き合いながらやらなければいけないところはあります。手というよりかは、GKとして感覚的な部分での違いを感じた。感覚としか言いようがないんですけどね」
それでも「日に日に感覚は良くなっている」と焦りはない。今はリハビリ期間に積み上げたものをピッチで証明する時間だと、静かに前を向く。
迎えた3月の代表招集。スコットランド、イングランドとのアウェイ2連戦は、W杯メンバー入りを懸けたサバイバルの場でもある。「アウェイ2連戦、相手もヨーロッパのチームで今までとは違ったタイプ。結果にしっかりこだわりたい」としつつ、特にイングランド戦については、個の質の高さを警戒しながら「先入観を入れすぎず、フラットに見ていく」と独自のスタンスを崩さない。
左手の握力はすでに50キロ近くまで回復した。完全ではないが、着実に戻ってきている。「日本でリハビリ期間を過ごしていましたけど、家族だったり、身の回りの方に本当にお世話になった。チームメイトやスタッフも、日本にいながら常にコミュニケーションを取ってくれていたので、そこは本当に多くの方に支えられたなというふうに思います。リハビリ期間にやってきたことが間違ってなかったとパフォーマンスで証明できればいい」と語った鈴木彩。逆境を乗り越えた守護神は、支えられた恩を返すように日本代表の勝利のために邁進する。
(林 遼平 / Ryohei Hayashi)

林 遼平
はやし・りょうへい/1987年、埼玉県生まれ。東日本大震災を機に「あとで後悔するならやりたいことはやっておこう」と、憧れだったロンドンへ語学留学。2012年のロンドン五輪を現地で観戦したことで、よりスポーツの奥深さにハマることになった。帰国後、サッカー専門新聞『EL GOLAZO』の川崎フロンターレ、湘南ベルマーレ、東京ヴェルディ担当を歴任。現在はフリーランスとして『Number Web』や『GOAL』などに寄稿している。



















